キハ58系急行形気動車
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概説
戦後になって国鉄の気動車は、液体変速機の実用化による総括制御が可能となったことで、一般形から準急形、さらに特急形と急速に勢力を拡大していった。そして、非電化区間の都市間輸送力の増強、サービス向上等を目的として、キハ80系特急形気動車の走行技術を基本とし、車体を急行形電車153系に準じたものとした急行形気動車として誕生したのがキハ58系である。
まず1961(昭和36)年3月に北海道用のキハ27、キハ56、キロ26の3形式が新製された。続いて同年4月に信越本線用のキハ57、キロ27が新製され、5月に一般用のキハ28、キハ58、キロ28形が新製された。また、1963(昭和38)年には中央本線用としてキロ58形が新製されている。
車体は準急形キハ55系よりも広げて特急形と同様の2903mmとし、裾を絞り、高運転台となった。貫通扉上部に列車種別表示器を設けて、その両側に前照灯を取付けている。側窓は本州用のキハが一段上昇窓、キロが2枚1組のバランサー付き一段下降窓で、北海道用はキハ・キロ共に本州用よりも高さの低い一段上昇式の二重窓となっている。塗装はクリーム色4号をベースに、窓回り、裾部、雨ドイが赤11号(修学旅行用のキハ28・58形800番代は登場時黄5
号と朱色3号)となっている。座席はキハが固定式の4人1ボックスのクロスシート、キロがリクライニングシートとなった。機関は180PSのDMH17H
で、キハ56・キハ57・キハ58・キロ58は強力形として2基搭載、他は1基搭載している。台車はDT22A、TR51Aで、信越用のキハ57・キロ
27は空気バネ式のDT31・TR68となっている。冷房装置は1964(昭和39)年新製のキロ28形より新製時から取付けられ、非冷房車についても順次冷房化が進められた。キロに関しては全車冷房化が行われた一方、北海道用のキハの一般車については最後まで冷房化は行われなかった。普通車の冷房化にあたり、キハ28形に他車への給電が可能な4VK発電装置を搭載する改造が行われ、それらは原番号+2000に改番されている。キロ28形についても4DQ
発電装置から4VK発電装置に換装工事を行ったものについては、番号が原番号+2000となった。
キハ58系は1969(昭和44)年までに新製された車両が総数1,800両を超え、国鉄気動車の主力として活躍し、長大編成対応車、修学旅行用車、モデルチェンジ車、寒地向け車等、製造年次及び用途による各種番代区分が生まれてバラエティーに富んでいる。その一方で急行列車の削減により、グリーン車の格下げや郵便・荷物気動車への改造も行われ、国鉄末期からJR発足後にかけてはジョイフルトレイン化、両運転台化、セミクロスシート化、機関の高出力化など様々な改造も行われているが、老朽化により廃車が進んでいる。