キハ58系特急形気動車|キハ58形
本州用2機関搭載の普通車。機関はDMH17H、台車はDT22A。定員84名。2機関搭載のため、水タンクは屋根上に取付けられている。
0番代
キハ58 1~312は1961~63(昭和36~38)年に新製された。先に登場した北海道向けキハ56形に準じているが、暖地向けのため、客室側窓の高さが北海道向けより広くなっている。
キハ58 1~312
冷房改造車。
キハ58 9(福トカ)
1961.5新製→1987.2廃車
1986年2月27日 豊岡機関区にて
1・3位側を示す。
キハ58 82(秋アキ)
1962.2新製→1992.9廃車
1988年11月13日 秋田駅にて
カーペット車(新潟地区)
1985(昭和60)年に改造された新潟地区のカーペット車。本グループからはこのキハ58
120が改造されたが、他にキハ58 446・1021、キハ28
2032についても改造されている。着脱式のカーペット床とし、カラオケ装置なども備えている。塗色は国鉄色から1987(昭和62)年に写真のものに変更され、1995(平成7)年にも再変更された。
キハ58
120(新ニイ)
1962.6新製→2002.6廃車
1988年2月--日 富山駅にて
400番代
キハ58 401~799・1000~1052は1963~67(昭和38~42)年に新製された長大編成対応車で、キハ28 301~と同様に引通し線の電圧降下、制御電流の容量制限、ブレーキ作動時間の遅延に対する改善がなされ、車体は客用扉下部に小窓が新設されるなどの変更点がある。
キハ58 401~799・1000~1052
1・3位側を示す。本グループから側出入口下部に小窓が新設された。
キハ58 582(仙コリ)
1965.1新製→1993.3廃車
1988年8月27日 郡山運転所にて
「うみねこ」・「むろね」用改造車
三陸鉄道への乗入れに際し、1984(昭和59)年にキハ58 486・1511、キハ28
336・390、1985(昭和60)年にキハ58
416が新幹線0系の転換クロスシートを取付けてアコモ改造された。JRに承継された後、廃車となっている。
キハ58
486(盛モカ)
1964.4新製→1984.6改造→1994.8廃車
1988年11月--日 盛岡駅にて
ワンマン化車
写真はJR西日本の富山に所属したワンマン化改造車。車端部がロングシート化されている。
キハ58
477(金トヤ)
1964.2新製
2007年7月17日 富山駅にて
800番代
キハ58 801~819は1962・63(昭和37・38)年に新製された修学旅行用で、2機関搭載となったほかはキハ28 801~と同様で、各座席への長テーブル設置、前位側への速度計、後位側への時計設置などである。外部塗色は黄5号と朱色3号で、晩年は他車と同じ急行色に改められて一般車と混用されたが、国鉄時代の1987(昭和62)年までに全車廃車となって区分消滅した。
キハ58 801~819
キハ58 812(秋カタ)
1963.2新製→1986.3廃車
1988年11月13日 土崎工場にて
1100番代
キハ58 1101~1143は1968・69(昭和43・44)年に新製された暖地向けのモデルチェンジ車で、前面窓がパノラミックウィンドウとなり、全面スカート付となさている。冷房準備車として登場し、大部分が冷房取付工事を行っている。
キハ58 1101~1143
キハ58 1125(米ヨナ)
1968.7新製→2002.1廃車
1988年12月29日 三次駅にて
2・4位側を示す。
キハ58 1139(福トカ)
1968.12新製→1997.7廃車
1986年2月27日 豊岡機関区にて
1500番代
キハ58 1501~1534は1968(昭和43)年に新製された寒地向けのモデルチェンジ車で、1101~と同様に冷房準備車として登場した。しかし、大半の車両が非冷房のままであった。
キハ58 1501~1534
キハ58 1534(長コミ)
1968.12新製→1991.4機関更新(DMF13HZ)→1998.9廃車
1990年2月25日 小諸駅にて
2・4位側を示す。
キハ58 1526(仙コリ)
1968.9新製→1990.10機関更新(DMF11HZ)→1998.9廃車
1988年8月27日 郡山運転所にて
3000番代
キハ58 3001は1989(平成元)年に急行「あすか」用としてキハ58 714をリクライニングシートに改造したキハ58 5714を1991(平成3)年に改番したものである。定員は56名。
5000番代(国鉄→JR九州)
キハ58 5001~5007は九州内の急行列車の座席指定車用に1985(昭和60)年にキハ58 557・558・605・757・767・1017・1018の座席をリクライニングシートに改造したもので、シートはサロ481形などの廃車発生品を使用してモケットを張替えている。その他、内装についても化粧板の張替え等がなされている。定員は52名となり、座席とシートピッチとは一致していない。
キハ58 5001~5007
キハ58 5007(分オイ)
キハ58 1018 1966.9新製→キハ58
5007 1985.3改造→1993.5「シーサイドライナー」化改造→2002.3廃車
1989年1月1日 博多駅にて
5000番代(JR東海)
キハ58 5001・5002はJR東海の快速「みえ」用として1991(平成3)年にキハ58
680・1033を改造したものである。高速化のため機関をカミンズ製のC-DMF14HZ(350PS/2000rpm)とし、変速機も変更されている。台車はDT31Cに振替えられた。座席は新幹線の廃車発生品のリクライニングシートに交換されて定員は56名となった。
2001(平成13)年までに廃車となり、区分消滅した。
5100番代
キハ58 5101はキハ58
5000番代と同様に快速「みえ」用として、キハ58
1101を改造したもので、種車がモデルチェンジ車であるため5100番代に区分された。改造内容は5000番代と同様である。
2001(平成13)年に廃車となり、区分消滅した。
5500番代
キハ58 5501~5516はJR西日本姫新線・播但線における通勤輸送用として、1991・92(平成3・4)年にキハ58 200・264・289・311・401・407・408・428・429・430・433・538・559・679・682・751をオールロングシート化改造したもので、床材張替、吊手増設なども併せて行われた。1999(平成11)年までに全車廃車となって区分消滅した。
5700番代
キハ58 5714は前述の通りキハ58 714を1989(平成元)年にアコモ改造したもので、JR東海の急行「かすが」として使用された。1991(平成2)年にキハ58 3001に改番。
キハ58 5714
キハ58 714(海ナコ)
1966.1新製→キハ58 5714 1989.3改造→キハ58 3001 1991.2改番→2001.9廃車
1991年1月2日 奈良駅にて
6000番代
キハ58 6001~6003 はキハ58 1028・1050・1052を種車として急行「たかやま」用に1991(平成3)年に改造されたアコモ改良車。座席はリクライニングシートに交換され、内装、便洗面所等も改装されている。
2000(平成12)年に廃車となり、区分消滅した。
キハ58 6001~6003
キハ58 6002(京キト)
キハ58 1050 1967.6新製→キハ58 6002 1990.12改造→2000.1廃車
1999年9月3日 高山駅にて
7000番代
7000番代はいずれもJR九州のジョイフルトレイン等の改造車である。
キハ58 7001は「サルーンエクスプレス」で、キハ58
1141を種車として1988(昭和63)年に改造された。ペアを組むのはキハ65 502改造のキハ65
7001である。熊本に配置されたが、1994(平成6)年に廃車となった。
キハ58 7002は「ジョイフルトレイン長崎」で、キハ58
298を種車として、1988(昭和63)年に改造された。ペアを組むのはキハ65 12改造のキハ65
7002。長崎に配置され、1994(平成6)年に廃車となった。
キハ58 7003・7004は、香椎線の活性化を図るため、キハ58
702・723を種車として1988(昭和63)年に改造されたリゾート列車で、キハ28 2445改造のキハ28
7001と3両編成を組む。キハ58 7004とキハ28 7001は前面非貫通で大型窓を配したものに変更されたが、キハ58
7003は中間車として使用されるため種車の運転台を存置している。晩年は急行「くまがわ」にも使用されたが、2008~11(平成10~13)年に廃車となった。
キハ58 7001
側窓が固定化され、前位側出入台は閉鎖された。運転台後部の客室はカウンター形式のテーブルとロビーチェア、カラオケ用モニタ等を設置している。座席は通路よりも200mm高くして展望の確保に努めている。
キハ58 7001(熊クマ)
キハ58 1141 1969.1新製→キハ58 7001 1988.2改造→1994.3廃車
1989年1月16日 博多駅にて
キハ58 7004
JR九州の多くの車両はデザイナー、水戸岡鋭治氏により手がけられているが、その第一号となったのはこの「アクアエクスプレス」である。
側窓は固定化され、さらにカーブドガラスを増設して眺望の向上を図っている。座席は1,2人掛け転換式のものと、窓側に向いた回転式のものを組み合わせている。客室中央部に大理石の半円形テーブルを設置したスペースを設置し、AV機器やスイッチ類はその部分に設けている。竹下、直方を経て晩年は熊本に転属した。
キハ58 7004(本タケ)
キハ58 1141 1969.1新製→キハ58 7001 1988.2改造→1994.3廃車
1989年1月16日 博多駅にて
7200番代
キハ58 7201~7212はJR西日本の急行「丹後」、「砂丘」用として、キハ58
78・690・467・696・259・451・553・625・638・668・669・749を1991・92(平成3・4)年にアコモ改造したもので、延命工事も同時に施工されている。0系新幹線車両の廃車発生品のリクライニングシートを取付け、便・洗面所などもリニューアルされた。
2005(平成17)年までに全車廃車となり、区分消滅した。
キハ58 7201~7212
キハ58 7211(岡オカ)
キハ58 669 1965.11新製→キハ58 7211 1992.12改造→2005.3廃車
1991年1月2日 奈良駅にて
7300番代
キハ58 7301はJR西日本が「エーデル北近畿」用の予備車として改造したものである。
8000番代
キハ58 8001は国鉄末期の1987(昭和62)年にキハ58
689を改造した和式気動車で「Bun-Bun」の愛称で同時にキハ28 2489から改造されたキハ28
8001とペアで使用された。竹下に配置され、のち直方に転属、1994(平成6)年に廃車となった。
キハ58 8002はJR九州が1988(昭和63)年にキハ58
57を改造したもので、「ふれあいGO」の愛称が付けられた。カーペット敷で、キハ65 55を種車とするキハ65
8001とペアを組んだ。直方に配置されたが、1994(平成6)年には廃車となった。