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E653系特急形交直流電車


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0番代概説

 常磐線の特急には、国鉄民営化後1989(平成元)年には651系が投入されて「スーパーひたち」として就役、残りは485系による「ひたち」が継続運用されていたが、485系の置換用として1997・98(平成9・10)年、2005(平成17)年に新製されたのがE653系特急形交直流電車である。
 「East Japan Standard Express=これからの定番特急」、「Sophisticated  Simplicity=洗練されたシンプルさ」をメインコンセプトとして、耐寒耐雪、小ロット、多様なニーズを基本として仕様決定された。
 4M3Tのモノクラス7両編成を基本としており、2編成併結した14両編成による運転も可能である。1998(平成10)年からは付属編成の4両編成も登場して、2005(平成17)年までに基本編成8本、付属編成4本の72両が製造された。 
 車体はアルミの大型中空押出形材を使用したダブルスキン工法が採用され、軽量化と車体構造の簡素化が図られた。前面は高運転台のボンネット形となっている。塗色は常磐線沿線名所をイメージして複数のものが用意され、スカーレットブロッサム(偕楽園と好文亭)がK301・K305編成、ブルーオーシャン(塩屋埼灯台と太平洋)がK302・K308編成、イエロージョンキル(国営ひたち海浜公園と水仙)がK303・K306編成、グリーンレイク(霞ヶ浦と帆曳舟)がK304・K307編成、オレンジパーシモン(袋田の滝と紅葉)が付属編成のK351~K354編成となっている。(括弧内はモチーフ)
 客室内はレール状の取付座により内装パネルを固定、同様の方法で腰掛や荷棚、天井風道なども固定されており、製造過程や保守、仕様変更などに柔軟に対応できるようになっている。座席はリクライニング時に座面もスライドする構造となっている。シートピッチは651系の970mmから485系と同様の 910mmである。洋式便所は1・3・4・6号車に設置され、男子用小便所も併設、T車(4号車)の便・洗面所は車椅子対応となっている。T車には多目的室、車掌室・業務用室、車販準備室が設置されている。
 制御方式はVVVFインバータ制御(IGBT素子)で、主電動機は三相かご形誘導電動機MT72(145kW)である。台車はボルスタレス方式の DT64・TR249、パンタグラフはシングルアーム式のPS32で、中央東線の狭小トンネルには対応していないが、交流電源は50・60Hzに対応し、車体は耐寒耐雪構造であることから、将来の他線区への転用可能となっている。
 1997(平成9)年10月より上野-勝田・高萩・いわき間の特急「フレッシュひたち」として営業運転を開始した。
 2012(平成24)年春より常磐線上野-いわき間の特急は新たに投入されるE657系に統一し、E653系はいわき-仙台間の特急に転用されることが計画された。しかし、2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災により常磐線の特急は上野-いわき間の運行のみとなることから計画変更された。基本編成は2013(平成25)年から羽越本線の特急「いなほ」への転用が計画され、定期列車の「フレッシュひたち」からは2013(平成25)年3月ダイヤ改正で撤退し、その後は「いなほ」への転用改造(1000番代化)が進められるとともに、臨時列車などに運用された。(ラストのU108編成のみ4両が付属編成から改造)
 一方、付属編成は2015(平成27)年3月改正で北陸新幹線開業により特急「北越」が廃止されるのに伴って誕生する新井・上越妙高-新潟間の特急「しらゆき」への転用が決定(番号は1100番代で、ラストのH204編成のみ基本編成から改造)、これらの転用改造の進展に伴い、0番代の臨時列車での運転も2014(平成26)年秋までに終了。2015(平成27)年までに全車両が1000・1100番代に改造されて、0番代の各形式は区分消滅した。

1000番代概説

 485系で運転されていた羽越本線の特急「いなほ」の置換用として、0番代を改造したグループ。
 0番代はモノクラス編成であったが、クハE652形がグリーン車に格上げ改造されて2+1配列、シートピッチ1,820mmと余裕のある座席配置となった。
 車体は「夕日・稲穂・海」をキーワードとした塗装に変更され、編成全体で日本海の夕日と波、夕日が沈む日本海に映り込む空が表現された。
 耐寒耐雪構造は強化され、先頭車前頭部のスノープラウ追加、床下機器へのふさぎ板、防雪カバー取付、側引戸部へのレールヒーター取付、客室暖房の強化などが行われている。先頭車の電気連結器は撤去された。
 新潟車両センターに配置され、2013(平成25)年9月28日ダイヤ改正で「いなほ7・8号」で営業運転を開始した。2014(平成26)年7月12 日からは全ての「いなほ」が485系からE653系に置換えられ、2014(平成26)年9月現在、7編成が改造済である。

1100番代概説

 2015(平成27)年3月14日、北陸新幹線長野-金沢間が開業するのに伴って、特急「北越」、快速「くびき野」は廃止されたが、新潟地区から北陸新幹線方面のアクセス特急として、新潟-上越妙高・新井間に特急「しらゆき」が運転されることになった。
 特急「しらゆき」に使用される車両として、2015(平成27)年に常磐線で特急に使用されていたE653系0番代を種車として耐寒耐雪化などの改造を施工して転用されたのがE653系1100番代である。
 上越妙高・新井方から1号車Tc'-M1-M2-Tcの4両編成で、グリーン車は連結しない。
 1000番代と同様に、耐寒耐雪構造として、先頭車前頭部のスノープラウ追加、床下機器へのふさぎ板、防雪カバー取付、側引戸部へのレールヒーター取付、客室暖房の強化などが行われている。客室内は座席のモケットが越後上布や小千谷紬をモチーフとしたデザインに変更され、先頭車出入台寄りの座席1名分が撤去されて車椅子スペースとなっている。
 車体塗色は「しらゆき」をイメージするアイボリーホワイトを基調として、車体上部と下部の紫紺は日本海の空と海、朱色で日本海に沈む夕日の界面への映り込みを表現している。
 4両編成4本が新潟車両センターに配置されている。 

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