253系特急形直流電車
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概説
1991(平成3)年3月19日に成田空港連絡ルート(成田線成田-成田空港間)が開業するのに伴い、都心と成田空港とを結ぶ連絡特急
「成田エクスプレス=NEX」 用として新製された。
東京地下駅において横浜方面と新宿方面の列車を分割・併合するため、自動解結装置のほか自動ほろ装置が取り付けられている。自動ほろ装置とは、運転室のスイッチ操作により、ゴムほろを空気シリンダの作用で連結した両方の車両から押し付けるもので、前面のプラグドアと連動する。
グリーン車クロ253形は開放室1+1列配置の0番代と、1+1と1+2を交互に配置した100番代があり、どちらも前位寄りに4人用個室を有する。一方、普通車は4人掛けのボックスシートとなった。
制御方式は211系と同様の界磁添加励磁制御で、主電動機も同様にMT61となっている。最高速度130km/hに対応するため、歯数比が251系と同様に4.82となり、台車は651系で実績のある軽量ボルスタレス式DT56B・TR241Cでヨーダンパ付きである。冷房装置はAU812を屋根上に1
基搭載している。
当初、M'c-M-Tscの3両編成であったが、1992(平成4)年に中間車を増備して6連化された。
2002(平成14)年のサッカー・ワールドカップ開催に合わせて新製されたグループは、武蔵野線に投入される205系のVVVF化に伴って発生した主制御器・主電動機が転用され、普通車の座席はリクライニングシートとなり、台車もDT69・TR254に変更されて
200番代 に区分された。
3両編成のTsc車については、輸送実態に見合うように開放室をリクライニングシートの普通席とし、2003(平成15)年にクロハ253形に改造された。一方、6両編成のグリーン車についても2002~04(平成14~16)年に定員増を図るため開放室は1+2の座席配置に変更された。また、0番代普通車で不評のボックスシートについては、2003・2004(平成15・16)年に集団見合い式の座席へと変更が行われた。
0番代99両(6両編成12本、3両編成9本)、200番代12両(6両編成2本)の計111両が鎌倉総合車両センターに配置されて活躍したが、
E259系の投入に伴って順次置換が進み、2010(平成22)年6月いっぱいで「成田エクスプレス」運用を離脱、0番代は全車廃車となり、長野電鉄に3
両編成2本が譲渡された。
一方、200番代は
485系および
189系でで運用されている東武直通特急「日光」、「きぬがわ」へのの置換用として、2010(平成22)年にVVVFインバータ制御化改造されて
1000番代となった。