E233系一般形直流電車｜3000番代

概説

　2007（平成19）年度より横須賀線・総武快速線で運用されているE217系の制御装置などの機器更新工事が行われることになり、予備車が不足することから鎌倉から国府津に転属していた東海道本線系統で使用されていたE217系1編成（基本＋付属）を鎌倉に戻すことになった。そこで登場したのが本グループで、まずは東海道本線系統用として基本編成10両（E-01編成）＋付属編成5両（E-51編成）の15両が 2007（平成19）年11月に東急車輛で製造されて国府津に配置され、2008（平成20）年3月より東海道本線で営業運転を開始した。
　編成はE231系の基本編成4M6Tに対し、東京方からTcMM'MM'TsdT'sdMM'T'cの6M4Tで、付属編成はE231系と同様のTcTMM'T'cの2M3Tである。普通車の座席構成に関しては国府津配置のE231系近郊タイプに準じており、基本編成1・2・9・10号車と付属編成14・15号車がセミクロスシート車、他の普通車はオールロングシート車である。
　普通車の車体はE231系近郊タイプと同様にセミクロスシート車はクロスシートの配置に合わせて窓の縦桟が2本となり、車体の帯色も同様である。車椅子スペースは各先頭車に配置された。優先席部分と、ロングシートの先頭車（11号車）については荷棚および荷棚手前の吊手の高さが50mm下げられている。ロングシート部分は1人あたりの幅がE231系の450mmから460mmに拡大、1・10・11号車に設置された車椅子対応大型便所はE231系に比べて面積が拡大された。車内案内表示器は通勤タイプと異なり、側引戸上部に2段式のLED表示器を設置している。
　グリーン車はE231系やE531系のグリーン車を基本として中央部分を2階建て構造としたもので、平屋部分の床面高さは普通車と同様の1,130mmとなっている。便・洗面所を設置するサロE233形と乗務員室・業務用室を設置するサロE232形とでペアを組む。
　制御装置はIGBT素子を使用したVVVFインバータ制御であるが、他のE233系と異なりSC90（日立製）を使用している。ブレーキ方式は0番代と同様で、抑速ブレーキを有する。保安装置はATS-PおよびJR東海への直通運転に伴いASA-SNを搭載する。台車は普通車も含めて全車ヨーダンバ付となっている。
　2010（平成22）年3月13日ダイヤ改正において横須賀線武蔵小杉駅が開業するのに伴い、同線で増発が行われることからE217系1編成（基本＋付属）を再度鎌倉に転属させるために基本編成10両（E-02編成）＋付属編成5両（E-52編成）が同年2月に落成して国府津に配置された。仕様はE-01・51編成と同様である。
　2011（平成23）年9月からは田町に所属していた211系の置換用として、基本編成および付属編成各14本（NT1～14、NT51～64編成）が2012(平成24)年4月までに製造されて田町に配置された。これらは普通車が新津、グリーン車が東急および川重で製造されたが、このグループから基本編成6号車に洋式便所を設置した新区分のモハE232形3800番代を組み込み、モハE232形3000番代は6号車から8号車、モハE233形3000番代は8号車から3号車、モハE233形3400番代は3号車から 7号車に連結位置が変更され、E-01・02編成では8号車に連結されていたモハE232形3200番代は2両のみの区分となった。編成単位で番号を合わせるため、モハE232形3800番代は3803から付番された。このほか、制御装置については新設計のSC98が採用されたほか、E233系5000番代で採用された移動禁止システム、転落防止自動放送装置が取付けられた。
　2012（平成24）年5月から2013（平成25）年3月にかけて東北本線・高崎線系統の211系置換用として、高崎に基本編成17本、付属編成16本（L01～16、 D01～16編成）が製造され、高崎に配置された。これらの編成は田町に新製配置されたグループと同一仕様で、2012（平成24年9月1日より高崎線系統（上野-前橋）で営業運転を開始、2013（平成25）年3月16日ダイヤ改正で宇都宮線にも運転区間が拡大した。
　2013（平成25）年3月に田町車両センターは廃止され、田町所属車は国府津に転属となり、編成番号は生え抜き編成の続番E-03～16、E-53～66編成となった。またこの時にこれまでE217系と共通運用だった生え抜き編成と田町からの転属編成とがE233系として共通運用されるようになった。
　2015（平成27）年3月14日ダイヤ改正の上野東京ライン開業に伴い、高崎のL01・D01編成は国府津に転属してE-17・67編成となり、 L02～17・D02～16編成は小山に転属してU618～633・U218～232編成となり、高崎の配置がなくなった。また、同様の理由で増備車が2014（平成26）年 12月から2015（平成27）年3月にかけて総合車両製作所横浜で製造され、国府津に付属編成2本（E-71・72編成）、小山に付属編成3本（U233～235編成）配置された。このグループは屋根上のFM／AMラジオ輻射アンテナが廃止された。
　また、この時からE231系と共通運用が組まれるようになり、併結運転も実施、湘南新宿ラインおよび熱海以遠にも運用を拡大し、西は沼津、伊東、北は前橋、東は黒磯まで運転されている。
　2017（平成29）年には付属編成2本（E-73・74編成）が増備され、国府津に配置された。
　2018（平成30）年3月現在、国府津に基本編成17本、付属編成21本の計275両、小山に基本編成16本、付属編成18本の計250両が配置されている。

モハE233-3001～3033

3001・3002は2007（平成19）年に製造されたE-01編成と2010（平成22）年に製造されたE-02編成の7号車に連結されるロングシートの中間電動車で、モハE232形3000番代とユニットを組む。VVVFインバータ制御装置は日立製のSC90で、屋根上にパンタグラフ2基（PS33D、1基は予備）を搭載する。台車はDT71A。冷房装置はAU726A（50,000kcal/h）で、他の普通車も同様。定員160（座席54）名。
モハE233-3002（横コツ）
2010.2新製
2015年11月22日　久喜駅にて

2011（平成23）年の3003から基本編成3号車に連結位置が変更されてユニット相手はモハE232形3400番代となった。VVVFインバータ制御装置は日立製だが、SC98に変更された。写真は1・3位側を示す。
モハE233-3014（横コツ）
2012.3新製
2017年2月5日　籠原駅にて

モハE233-3201～3233

3201・3202はE-01・02編成の9号車に連結されるセミクロスシートの中間電動車で、パンタグラフはPS33Dを1基搭載。モハE232-3201・3202とユニットを組む。VVVFインバータ制御装置はSC90。定員161（座席60）名。
モハE233-3202（横コツ）
2010.2新製
2016年9月24日　井野駅にて

3203からは基本編成の9号車に連結され、ユニット相手はモハE232形3000番代となった。VVVFインバータ制御装置はSC98に変更されている。　
モハE233-3233（横コツ）
2013.3新製
2017年5月14日　小金井駅にて

モハE233-3401～3433

3401・3402はE-01・02編成の3号車に連結されるロングシートの中間電動車で、パンタグラフはPS33Dを1基搭載。VVFインバータ制御装置はSC90。定員160（座席54）名。
モハE233-3401（横コツ）
2007.11新製
2016年10月2日　籠原駅にて

3403からは基本編成7号車に連結位置が変更されてモハE232形3800番代とユニットを組む。VVVFインバータ制御装置はSC98に変更された。　
モハE233-3433（横コツ）
2013.3新製
2017年5月14日　小金井駅にて

モハE233-3601～3633

付属編成の13号車に連結されるロングシートの中間電動車で、モハE232形3600番代とユニットを組む。パンタグラフはPS33Dを2基搭載（1基は予備）。横コツE-51・52編成の3601・3602のVVVFインバータ制御装置はSC90。定員160（座席54）名。
モハE233-3601（横コツ）
2007.11新製
2016年7月17日　久喜駅にて

3603からは制御装置はSC98に変更された。また、3633以降は屋根上のFM／AMラジオ輻射アンテナが廃止された。定員160（座席54）名。写真は3・1位側を示す。
モハE233-3622（横コツ）
2012.8新製
2014年7月13日　籠原駅にて

モハE232-3001～3033

ロングシートの中間電動車で、SIV（SC86B）およびCPを搭載。3001・3002はE-01・02編成の6号車として連結され、モハE233形3000番代ユニットを組む。3003からは8号車に連結位置が変更され、モハE233形3400番代とユニットを組む。定員160（座席54）名。写真は3・1位側を示す。
モハE232-3014（横コツ）
2012.3新製
2017年2月5日　籠原駅にて

モハE232-3201・3202

ロングシートの中間電動車で、E-01・02編成の8号車に連結される。床下にCPおよび非常はしごを設置。2011（平成23）年増備の編成から組成が変更されたため、モハE232形3200番代は2両のみの区分となった。定員160（座席54）名。
モハE232-3202（横コツ）
2010.2新製
2016年9月24日　井野駅にて

写真は3・1位側を示す。
モハE232-3201（横コツ）
2007.11新製
2016年10月2日　籠原駅にて

モハE232-3401〜3433

セミクロスシートの中間電動車で、2号車に連結される。SIVおよびCPを搭載。3401・3402はモハE233形3400番代と、3403～はモハE233形3000番代とユニットを組む。定員161（座席60）名。
モハE232-3428（宮ヤマ）
2012.12新製
2015年11月22日　宇都宮駅にて

モハE232-3601〜3633

ロングシートの中間電動車で、付属編成12号車に連結されてモハE233形3600番代とユニットを組む。定員160（座席54）名。
モハE232-3619（宮ヤマ）
2012.6新製
2016年3月28日　籠原運輸区にて

3633以降は屋根上のFM／AMラジオ輻射アンテナが廃止された。写真は1・3位側を示す。
モハE232-3634（宮ヤマ）
2014.12新製
2018年4月14日　籠原駅にて

モハE232-3803～3033

2011（平成23）年に増備された編成から登場したグループで、ロングシート車。洋式便所を設置している。床下にCPを搭載。基本編成6号車に連結されてモハE233形3400番代とユニットを組む。床下に非常はしごを設置。編成内で番号末尾を統一するため、3801・3802は欠番となり、3803から付番されている。定員156（座席50）名。
モハE232-3832（宮ヤマ）
2013.2新製
2015年4月5日　籠原駅にて

クハE233-3001～3033

基本編成10号車（黒磯・前橋方）の制御車でセミクロスシート。4位側に車椅子対応大型便所が設置されている。台車は先頭台車がTR255で後位がTR255A、定員135（座席40）名。本グループの前位寄りに付属編成を連結するため、電気連結器を装備する。
クハE233-3027（宮ヤマ）
2012.11新製
2016年3月28日　籠原運輸区にて

クハE233-3501～3539

付属編成15号車（黒磯・籠原方）に連結されるセミクロスシートの制御車。E233系近郊タイプの制御車では本グループのみ便所なしである。台車は先頭台車がTR255で後位がTR255A、定員143（座席40）名。E531系と異なり、付属編成同士の連結は考慮されていないため、電気連結器は省略されている。
クハE233-3519（宮ヤマ）
2012.6新製
2016年3月28日　籠原運輸区にて

3533以降は写真のように屋根上のFM／AMラジオ輻射アンテナが廃止された。
クハE233-3536（宮ヤマ）
2013.1新製
2015年10月31日　久喜駅にて

クハE232-3001～3033

基本編成1号車（沼津・伊東方）の制御車でセミクロスシート車。4位側に車椅子対応大型便所が設置されている。台車は先頭台車がTR255で後位がTR255A、定員135（座席40）名。
クハE232-3001（横コツ）
2007.11新製
2016年10月2日　籠原駅にて

クハE232-3501～3539

付属編成11号車（沼津・伊東方）の制御車で、E233系近郊タイプの制御車では本グループのみロングシート車である。4位側に車椅子対応大型便所が設置されている。本グループの前位寄りに基本編成を連結するため、電気連結器を装備している。3533以降は屋根上のFM／AMラジオ輻射アンテナが廃止された。台車は先頭台車がTR255で後位がTR255A、定員135（座席36）名。
クハE232-3519（横コツ）
2012.6新製
2016年3月28日　籠原運輸区にて

サロE233-3001～3033

中央部を2階建て構造としたグリーン車で、基本編成5号車に連結されてサロE232形3000番代とペアで使用される。3位側に洗面所、4位側に洋式便所が設置されている。冷房装置はAU729（20,000kcal/h）を両車端に搭載している。台車はTR255C。客室内は特急形電車の普通車をベースとした回転リクライニングシートが配置され、各座席の上部にはグリーン車SuicaシステムのR/W（リーダライタ）が設置されている。定員は平屋20、階下34、2階36名の計90名。
サロE233-3032（宮ヤマ）
2013.2新製
2015年4月5日　籠原駅にて

サロE232-3001～3033

サロE233形3000番代とペアで使用されるグリーン車で、基本編成4号車に連結されている。1位側に業務用室、2位側に乗務員室が設置されているほかは、サロE233形3000番代に準ずる。
サロE232-3032（宮ヤマ）
2013.2新製
2015年4月5日　籠原駅にて

サロE232・233-3019〜3026の各8両は川崎重工製で、妻面にビードがある点が目立つ。
サロE232-3024（宮ヤマ）
2013.2新製
2016年4月2日　小金井駅にて

サハE233-3001～3039

付随車でセミクロスシート。付属編成14号車に連結される。CPを搭載する。また、3003は2017（平成29）年に線路設備モニタリング装置が搭載された。台車はTR255Aで、定員161（座席60）名。国府津のE-53編成に連結されている3003と小山のU234編成に連結される3034には線路設備モニタリング装置が搭載されている。また、国府津のE-55編成のサハE233-3005と小山のU233編成のサハE233-3033は線路設備モニタリング装置取付準備工事がなされている。
サハE233-3019（宮ヤマ）
2012.6新製
2016年3月28日　籠原運輸区にて

3033以降は屋根上のFM／AMラジオ輻射アンテナが廃止された。写真は線路設備モニタリング装置搭載車。
サハE233-3034（宮ヤマ）
2016.12新製→2018.2線路設備モニタリング装置搭載
2018年4月14日　籠原駅にて

写真は線路設備モニタリング装置搭載準備工事がなされているサハE233-3005。
サハE233-3005（横コツ）
2011.9新製→2018.10線路設備モニタリング装置搭載準備工事
2019年5月6日　籠原駅にて

写真は線路設備モニタリング装置搭載準備工事がなされているサハE233-3033。
サハE233-3033（宮ヤマ）
2014.12新製→2018.10線路設備モニタリング装置搭載準備工事
2019年5月6日　久喜駅にて