401・403系近郊形交直流電車
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概説
401系は交流50Hz用で、1961(昭和36)年6月1日の常磐線取手-勝田間の電化開業に伴い、1960(昭和35)年から新製された。混雑緩和のため、両開き3扉セミクロスシートとし、車体は153系急行形直流電車のように最大幅2,900mmとして裾を絞った形状としている。これは新性能近郊形電車の標準スタイルとして、
111・113系などその後の車両にも継承されている。
電動車はモハ401(M)・モハ400(M')の2形式、制御車はクハ401(Tc)の3形式が用意された。主電動機はMT46Bとし、台車は
DT21B・TR64としている。M車には主制御器・主抵抗器などの直流機器が、M'車には主変圧器・主整流器などの交流機器とパンタグラフが搭載されている。Tc車の運転台はクハ153形と同様に、当初は低運転台であったが、クハ401-23から高運転台に変更されている。
1966(昭和41)年まで増備が続き、以後は主電動機出力を増強した403系に増備が引き継がれた。
モハ400・401形については冷房改造された車両はなく、1991(平成3)年までに全車廃車となって形式消滅した。
403系は401系の主電動機MT46B(100kw)からMT54(120kW)に出力増強したもので、1966~68(昭和41~43)年に新製された。制御車は401系と同様にクハ401形となっている。
塗装は塗装は赤13号をベースにクリーム1号の帯を巻き、60Hz用との識別のためクハ401の前面窓上部にクリーム色の細帯を巻いていた。(後に廃止) その後、1984(昭和59)年から順次クリーム色10号に青20号の帯に改められた。
401・403系の形式間改造や他系列からの改造車は事例が少なく、モハ402-1の事故廃車により保留車となっていたモハ403-1を主電動機取替の上で401系に編入してモハ401形の初期車と差し替えてモハ401-26とした例と、115系のクハ115-612(旧サハ115-2)をクハ
401-901(→クハ401-101に改番)に改造した例のみである。
403系は一部の車両が国鉄時代にAU75Bによる冷房改造が施工され、JR東日本に承継されてからは分散形のAU712(モハ402を除く)による冷房改造も施工された。
401系先行試作車が宇都宮→松戸→勝田と移動したほかは、401・403系とも新製以来全車勝田に配置されて常磐線で活躍してきたが、E531系の増備により姿を消した。