185系特急形直流電車
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0番代
東京と伊豆を結ぶ優等列車としては、183系を使用した特急「あまぎ」のほか、急行「伊豆」には東海形と呼ばれた153系急行形直流電車が運用されていた。153系は間合運用として普通列車にも使用されていたが、老朽化が著しいため取替えが計画された。しかしながら、急行列車は年々廃止が進んでいて、急行形電車の新製はしばらく見送られており、急行「伊豆」を特急化することを前提に、153系と同様に普通列車への間合運用を考慮した特急形電車として
1981(昭和56)年に新製されたのが185系0番代である。185系は関西地区で新快速用として使用されていた117系近郊形直流電車を基本とし、主制御器はCS43A、歯車比1:4.82、最高運転速度110km/hとなっている。また、順次置換予定の153系とも併結可能な構造としている。車体も
117系に準じているが、出入台を車端部に設け、側出入口も1000mm幅の片開きとなった。側窓は普通車については、2枚1組の一段上昇式で、グリーン車は座席1列につき1枚となっている。客室内は普通車は転換クロスシート、グリーン車はリクライニングシートである。登場時の外部色はクリーム色10号(アイボリーホワイト)に緑14号(モスグリーン)の斜め3本のストライプという当時の国鉄としては斬新なものとなって話題を呼んだ。モハ184・
185-1~31、クハ185-1~15、101~115、サロ185-1~16、サハ185-1~7の115両が田町電車区に配置され、当初は153系とも併結されて急行「伊豆」に使用され、計画通り間合運用として普通列車にも使用されている。1981(昭和56)年10月より特急「あまぎ」と急行「伊豆」を統合した特急「踊り子」として運用されている。
2013(平成25)年に田町車両センター(旧田町電車区)は廃止され、大宮に転属した。
200番代
1982(昭和57)年6月の東北新幹線大宮暫定開業時に上野-大宮間に新幹線アクセス輸送用として、「新幹線リレー号」が運転されることになった。そこで新幹線上野開業後に在来線特急への転用を考慮し、185系0番代を耐寒・耐雪構造として1982(昭和57)年に185系200番代が新製された。
200番代は165系との併結が考慮され、碓氷峠の通過に備えて横軽対策車となっている。外部色は0番代とは塗分けが異なり、新幹線アクセス列車として使用されることから、緑14号の帯が1本巻かれたシンプルなものとなった。モハ184・185-201~232、クハ185-201~216・
301~316、サロ185-201~216の112両が新製され、新前橋区に配置されて「新幹線リレー号」に使用された。1985(昭和60)年3月の新幹線上野開業時に「新幹線リレー号」は廃止され、200番代も一部が田町に転属して「踊り子」用として塗色も0番代と同様となったほか、残りは上野口の急行列車を特急化した新特急「なすの」、「あかぎ」、「谷川」、「草津」に使用されるようになった。
200番代もリニューアル工事が行われ、新前橋所属車については白を基調に黄色・灰色・赤色を配した外部色への変更(田町所属車は0番代と同一塗色)、普通車のリクライニングシート化が完了した。
2013(平成25)年に田町車両センター(旧田町電車区)所属車両は、同センターの廃止に伴い、大宮に転属している。