キハ40系一般形気動車｜キハ40形1000番代

概説

　宝積寺-烏山間の烏山線増発に伴い、国鉄末期の1986（昭和61）年からキハ40形2000番代を種車として改造された。
　キハ40系としては初めて、国鉄時代では唯一の改造による新区分番代で、改造はJR移行後の1995（平成7）年まで行われ、最終的に9両となった。種車はキハ40 2011～2017・2087・2139である。
　便所の撤去、吊手・網棚延長などがなされ、改造当初水タンクは存置されていた。塗装はクリーム10号に緑14号の帯に改められている。定員96（座席66）名。機関および台車は種車のままで、DMF15HSA（220PS/1600rpm）、DT22D・TR51Cである。
　1990（平成2）年3月に1006は小牛田に転属し、その後新庄、小牛田と転属を繰り返し、1999（平成11）年より南秋田（現秋田）に配置されている。
　1990（平成2）年より、東北地区に転出の1006を除きワンマン化と座席のオールロングシート化がなされた。さらに1995（平成7）年に は、非冷房車の冷房改造（AU34を搭載）も施工されている。
　なお、2010・11（平成22・23）年には烏山線全線開通88周年記念事業として、キハ401003・1007の2両が国鉄色（朱色4号+クリーム4号）に塗装変更されたが、キハ40系は新製当初から朱色5号の単色であったため、リバイバルではない。
　その後2012・13（平成24・25）年にキハ40 1004・1005の2両が朱色5号に塗色変更された。
　2017（平成29）年3月改正で烏山線のキハ40形はEV-E301系一般形直流蓄電池駆動電車に置換えられることになり、3月3日限りで運行を終了し、1001～1005・1007～1009は2017（平成29）年5月までに廃車となった。なお、1009は錦川鉄道に譲渡されている。
　2017（平成29）年11月現在、1006のみが秋田に所属し 、朱色5号に塗装されてローカル輸送に活躍している。　

キハ40 1001～1009

キハ40 1003（東ミヤ）
キハ40 2013　1979.5新製→キハ401003　1987.1改造→1990.3ワンマン化改造→1995.2冷房改造→2017.4廃車
改造当初の姿で、客室内はクロスシート、屋根上の水タンクも存置されていた。
1988年12月10日　宝積寺駅にて

ロングシート化され、屋根上の水タンクは撤去された。
キハ40 1002（宮ミヤ）
キハ40 2012　1979.4新製→キハ401002　1986.12改造→1990.2ワンマン化改造→1995.8冷房改造→2017.5廃車
2015年4月5日　宇都宮駅にて

キハ40 1004はかつて烏山線開業80周年を記念して朱色5号に塗色変更されたことがあったが、それから10年後の2012年に再び朱色5号になった。
キハ40 1004（宮ミヤ）
キハ40 2014　1979.5新製→キハ401004　1987.2改造→1990.2ワンマン化改造→1995.1冷房改造→2017.5廃車
2012年12月24日　宝積寺駅にて

2010年に国鉄色に改められた。
キハ40 1003（宮ミヤ）
キハ40 2013　1979.5新製→キハ401003　1987.1改造→1990.3ワンマン化改造→1995.2冷房改造→2017.4廃車
2013年3月24日　宝積寺駅にて

1991（平成3）年に改造された1008は、旧便所部分にユニット窓が新設されている。冷房改造は高崎所属時代に施工済みで、天井にダクトが通っており、1001〜1005・1007とは異なる。
キハ40 1008（宮ミヤ）
キハ40 2087　1980.8新製→1987.11冷房改造→キハ401008　1990.8改造→2017.4廃車
2011年8月13日　宝積寺駅にて

写真の1009は最後に改造されたもので、冷房改造は水戸所属時代に施工済みで1008と同様に天井にダクトが通る。ワンマン改造も水戸時代に施工されており、4位側の「乗降口」表示窓や、車外スピーカの位置が他車と異なる。
キハ40 1009（宮ミヤ）
キハ40 2139　1982.3新製→1988.2冷房改造→1990.10ワンマン化改造→キハ401009　1995.12改造→2017.4廃車→錦川鉄道キハ40 1009　2017竣工
2016年12月4日　宝積寺駅にて

キハ40 1008車内

高崎所属時代に冷房改造され、天井にダクトが通る。
2016年12月4日

キハ40 1008車内

旧便所部分にユニット窓が設置されているのはこの1008だけである。
2016年12月4日