ITRENINET 鉄道車両形式写真集

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103系通勤形直流電車|3000番代


概説

 昭和40年代後半は大都市圏の国電にもまだ旧性能車が使用されており、地方線区の新性能化にはまだ時間がかかる見込みであった。しかし、乗客の改善要望もあり、旧性能車の車体を新製車並みに更新してアコモデーション改善を図ることになり、1972(昭和47)年に試験的にモハ72587の車体を103系並みのものに更新したモハ72970が登場して鶴見線で使用され、さらに1974(昭和49)年に73系の車体を115系並みに更新した62系が登場した。それに続いて1975(昭和50)年に仙石線用として、73系の車体を103系並みに更新した72系970番代(モハ72971~、クハ79601~)が登場した。車体は103系ATC車に準じて、Tc車が高運転台となっている。1983(昭和58)年度に仙石線の新性能化が完了するまで活躍した。
 1985(昭和60)年に埼京線が開業。併せて川越線も電化開業して池袋から埼京線経由で川越まで直通運転が開始されたが、川越線川越-高麗川間は旅客需要の関係から3両編成で運転されることになった。そこで、すでに保留車となっていた72系970番代の車体を使用して足回りを103系のものに取替えて新性能化したものが103系3000番代である。3両編成5本の計15両が改造された。
 モハ72970番代のパンタグラフ取付台を生かしたため、中間車がM車となり、103系1200番代以来のクモハ102形が登場した。台車は電動車がDT33、制御車が101系の廃車発生品のDT21T、主電動機はMT55Aに変更されている。塗装は黄緑6号となった。
 1986(昭和61)年には青梅線の103系0番代を3両編成から4両編成に増強することになり、残りのモハ72970番代を103系のT車に改造、サハ103-3001~3005となった。塗装は当初、朱色1号であった。青梅線で活躍後、川越線に移り、同線の3000番代が4連化されたが、その際に塗装も他車と同様に黄緑6号に変更されている。
 なお、JR移行後の1991(平成3)年より冷房改造が行われ、AU712冷房装置が取り付けられた。
 川越線・八高線で活躍したが、205系3000番代への置換により、2005(平成17)年までに全車廃車となった。 

クモハ102-3005

クモハ102-3001~3005

クハ79604・79606・79610・79608・79602を103系3000番代のM'c車に改造したもの。種車により細部が異なっており、写真の3005は尾灯の内側に標識灯掛けが、乗務員室後部の戸袋部に当て板が取付けられている。また、側引戸の手掛けが外付けと埋込みの2タイプを取付けている。
クモハ102-3005(東ハエ)拡大画像を見る
クハ79378 1954.8新製→クハ79602 1975.1改造→クモハ102-3005 1985.9改造→1990.7冷房改造→2004.11廃車
1990年3月31日 武蔵高萩駅にて

クモハ102-3003

冷房改造後の形態を示す。屋根上に分散式のAU712が2基搭載された。乗務員室後部の戸袋部は埋め込まれている。側引戸の手掛けは外付けタイプのみを取付けている。
クモハ102-3003(宮ハエ)拡大画像を見る
クハ79368 1954.9新製→クハ79610 1976.3改造→クモハ102-3003 1985.9改造→1990.2冷房改造→2005.10廃車
2005年1月29日 高麗川駅にて

クモハ102-3002

2・4位側を示す。
クモハ102-3002(宮ハエ)拡大画像を見る
クハ79374 1954.11新製→クハ79606 1975.3改造→クモハ102-3002 1985.8改造→1989.12冷房改造→2005.5廃車
200-年-月--日 高麗川駅にて

モハ103-3005

モハ103-3001~3005

モハ72974・72972・72980・72978・72976を改造したもので、新性能化に伴い主制御器等の機器を交換し、パンタグラフもPS16に変更された。種車のパンタ台が生かされたため、前位寄りにパンタグラフが取付けられている。
モハ103-3005(東ハエ)拡大画像を見る
モハ72544 1953.10新製→モハ72976 1975.3改造→モハ103-3005 1985.9改造→1990.7冷房改造→2004.11廃車
1990年3月31日 武蔵高萩駅にて

モハ103-3003

冷房化後の形態を示す。後位側屋根上に冷房用電源としてSC24を搭載している。後年の改造で妻面窓が廃止され、転落防止ホロが取付けられた。
モハ103-3003(宮ハエ)拡大画像を見る
モハ72566 1954.7新製→モハ72980 1976.3改造→モハ103-3003 1985.9改造→1990.2冷房改造→2005.10廃車
2005年1月29日 高麗川駅にて

クハ103-3005

クハ103-3001~3005

クハ79609・79603・79605・79607・79601を改造したもので、台車は101系の廃車発生品のDT21Tとなっている。写真の3005は標識灯掛けがない。
クハ103-3005(東ハエ)拡大画像を見る
クハ79435 1957.1新製→クハ79601 1975.1改造→クハ103-3005 1985.9改造→1990.6冷房改造→2004.11廃車
1990年3月31日 武蔵高萩駅にて

クハ103-3003

冷房改造後の形態を示す。写真の3003は標識灯掛けが尾灯上の手掛けの内側に取付けられている。
クハ103-3003(宮ハエ)拡大画像を見る
クハ79451 1956.9新製→クハ79605 1975.3改造→クハ103-3003 1985.9改造→1990.2冷房改造→2005.10廃車
2005年1月29日 高麗川駅にて

サハ103-3004

サハ103-3001~3005

モハ72971・72973・72975・72977・72979を改造したもので、台車は101系廃車発生品のDT21TまたはTR64に変更され、車体側面の主電動機冷却風取入口と床下の主電動機点検フタが廃止されている。パンタグラフは撤去されたが、パンタ台が残っている。写真は青梅線時代のもので、103系0番代の中間に連結されていた。
サハ103-3004(東トタ)拡大画像を見る
モハ72509 1952.12新製→モハ72977 1976.3改造→サハ103-3004 1986.10改造→1990.5冷房改造→2003.12廃車
1989年10月22日 拝島駅にて

サハ103-3003

冷房改造後の形態を示す。パンタ台が残っているため、前位側の冷房装置は車体中央寄りに設置されており、特徴的な外観であった。豊田から川越に転属し、103系3000番代編成の4連化が行われた。
サハ103-3003(宮ハエ)拡大画像を見る
モハ72612 1955.3新製→モハ72975 1975.3改造→サハ103-3003 1986.8改造→1990.8冷房改造→2005.10廃車
2005年1月29日 高麗川駅にて

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