秩父鉄道1000系
概説
元国鉄101系。デハ100形と800系の置換えのため、1986(昭和61)年とJR移行後の1989(平成元)年に36両が譲渡された。
デハ1000形(旧クモハ101形・Mc)-デハ1100形(旧モハ100形・M')-クハ1200形(旧クハ101形・Tc)の3両編成で、Mc車にはMG・CP、パンタグラフ(当初PS13に換装していた)を搭載、M'車に制御装置と主抵抗器を搭載している。番号はクモハ100-117・140・133・252・116・1013・130・154・174・160・175・192→デハ1001~1012、モハ101-100・179・118・252・222・1013・112・212・236・208・237・263→デハ1101~1112、クハ101-58・61・62・75・64・65・66・79・80・73・81・82→クハ1201~1212である。
車体は国鉄時代のままであるが、客室内は暖房容量の増大が図られた。保安装置は秩父鉄道仕様に変更され、新たに列車無線、デッドマン装置、保安ブレーキ等が設けられた。
1994(平成6)年から先頭車のみ冷房改造が行われ、Mc車にパンタグラフを増設、Tc車に90kVAのSIVを搭載し、工事は1998(平成10)年までに完了している。さらに、1999(平成11)年にはワンマン化改造も施工している。
塗装は入線当初はレモンイエローにブラウン帯として前面に「秩父鉄道」の文字を記していたが、後にアイボリーを基調として青帯と赤帯を組み合わせた塗装に変更された。
2007(平成19)年にはさいたま市に鉄道博物館開館に合わせ、一部の編成が国鉄色に塗色変更されることになり、まず1011Fが朱色1号に変更された。続いて1001Fが青22号に、1012Fが黄色5号に、翌2008(平成20)年には1009Fが黄緑6号に黄色の警戒帯の関西線色に変更されている。2010(平成22)年には1011Fと1012Fが、2011(平成23)年には1009Fが廃車となったが、1003Fが同年イベントでの投票により朱色1号に変更された。
この他秩父鉄道創立110周年記念として、2009(平成21)年には1002Fが秩父鉄道オリジナルの小豆色、1007Fが1000系導入当時の黄色に茶色帯に塗色変更されている。
7500系の投入に伴い、廃車が進んでいる。
デハ1000形
元国鉄クモハ100形。パンタグラフは1994(平成6)年に1基増設された。
デハ1003
国鉄クモハ100-133 1962.4新製→1986.6廃車→秩父デハ1003 1986.9竣工→1996.10冷房改造→1999.12ワンマン化
2011年6月19日 熊谷駅にて
2位側を示す。
デハ1003
2011年6月19日 熊谷駅にて
塗色が青22号に変更されたデハ1001。
デハ1001
国鉄クモハ100-117 1961.11新製→1985.6廃車→秩父デハ1001 1986.4竣工→1997.6冷房改造→1999.12ワンマン化
2008年10月5日 三峰口駅にて
塗色が黄緑6号に黄色の警戒帯に変更されたデハ1009。
デハ1009
国鉄クモハ100-174 1963.9新製→1989.2廃車→秩父デハ1009 1989.4竣工→1996.7冷房改造→1999.12ワンマン化
2010年3月13日 熊谷駅にて
塗色がかつての秩父鉄道標準色に変更されたデハ1002。なお、1000系は導入当時、黄色に茶色帯が標準色だったため、この塗色となるのは初めてである。
デハ1002
国鉄クモハ100-140 1962.11新製→1985.6廃車→秩父デハ1002 1986.4竣工→1995.7冷房改造→1999.12ワンマン化
2011年6月19日 熊谷駅にて
デハ1100形
元国鉄モハ101形。非冷房のままである。
デハ1103
国鉄モハ101-118 1962.4新製→1986.6廃車→秩父デハ1103 1986.9竣工→1996.10冷房改造→1999.12ワンマン化
2011年6月19日 熊谷駅にて
1位側を示す。
デハ1103
2011年6月19日 熊谷駅にて
かつての秩父鉄道標準色に変更されたデハ1102。
デハ1102
2011年6月19日 熊谷駅にて
クハ1200形
元国鉄クハ101形。
クハ1203
国鉄クハ101-62 1965.9新製→1985.6廃車→秩父クハ1203 1986.9竣工→1996.10冷房改造→1999.12ワンマン化
2011年6月19日 熊谷駅にて
塗色が青22号に変更されたクハ1201。
クハ1201
国鉄クハ101-58 1965.9新製→昭和廃車→秩父クハ1201 1986.4竣工→1997.6冷房改造→1999.12ワンマン化
2008年10月5日 三峰口駅にて
デハ1000形客室内
デハ1006の客室内。クモハ100-1013(旧クモハ100-53)を種車としており、枕木方向の吊り革がない点に特徴が残されている。
デハ1100形客室内
デハ1106の(旧モハ101-1013←モハ101-50)客室内。