ITRENINET 鉄道車両形式写真集

国鉄・JRの車両を中心に、形式写真を紹介するサイトです。

ホーム > 国鉄・JR形式写真 > EH500形交直流電気機関車

EH500形交直流電気機関車


試作機(901号機)

 1988(昭和63)年3月、津軽海峡線が開業し、本州-北海道を結ぶ貨物輸送のうち、特に東北本線を経由する首都圏と北海道を結ぶルートは、JR貨物において基幹ルートとなっていた。しかし、首都圏-黒磯の直流電化区間ではEF65形、交流区間の黒磯-青森信号場間をED75形の重連、青森-五稜郭間をED79形の重連で牽引しており、EF65形やED75形の老朽化とともに、運用効率化のネックとなっていた。そこで、これら問題を解決するために開発されたのが本形式で、1997(平成9)年9月に東芝府中工場で落成し、1998(平成10)年3月に車籍を編入して長町機関区に配置された。(1999年8月に仙台総合鉄道部発足に伴い、同所に転属)
 開発コンセプトとして、ED75形重連を上回る牽引性能とED79形重連相当の運転冗長性を持ったシステムとすること、メンテナンス向上とコスト削減、機器の標準仕様化などが挙げられる。
 直流1500V、交流2000V 50Hz/60Hzの3電源に対応し、1インバータで2主電動機を制御する1C2M制御方式を4基搭載して8軸を駆動する。
 車体は箱型の2車体永久固定方式のH型で、1エンド側(1端車)には主変圧器、主変換装置などが、2端車には補助電源装置(140kVA2台)、ブレーキ抵抗機、主変換装置などが搭載されている。床下は、1端車に補助整流装置、補助空気圧縮機、蓄電池などが、2端車には空気圧縮機、空気タンク、除湿装置などが搭載されている。
 主電動機は1時間定格出力565kWのかご形三相誘導電動機FMT4で、台車は1エンド側からFD7A、FD7B、FD7C、FD7Dとなっている。パンタグラフは下枠交差式のPS22Eを2基搭載する。

写真はありません

EH500-901

1998.3新製

量産機  

 試作機901号機の性能試験の結果に基づき、2000(平成12)年2月に1次形として量産機1号機が落成し、同年3月に1・2号機が仙台に配置された。
 車体は機器室内通路の配置が変更されたほか、運転冗長性向上のため、試作機では1端車にのみ搭載されていた主変圧器がそれぞれの車体に1基ずつ搭載され、補助電源装置についても同様の理由により2基搭載とされた。車体の赤色部分の色調と窓周りの配色も変更された。
 台車は基本的には試作機に準ずるが、型式はFD7F、FD7G、FD7H、FD7Iである。新たに保安装置としてATS-PF装置が追加されたため、運転室などに関連機器が設置されている。
 2000(平成12)年3月から2001(平成13)年1月にかけて製造された3〜9号機は2次形で、前照灯の取付位置が上部に移動し、白帯内に収まるようになった。このうち3号機は、1次形の1・2号機とほぼ同時期の落成で、側面の「JRF」ロゴマークが4号機以降よりも大きい。また、公募により愛称が「ECO-POWER 金太郎」となり、EH500形各機に金太郎をあしらったイラストとロゴマークが取付けられるようになったが、3号機と4号機以降とでは取付位置も異なっている。
 10〜81号機は2001(平成13)年8月から2013(平成25)年3月にかけて製造された3次形で、車体塗色の赤が明るい色に変更となり、前面窓周りの黒色部分が縮小、前照灯周りの白帯は前面部分のみに変更された。
 このうち45〜50、67〜72は門司機関区に配置された。これらはATC-LとATS-PFを装備せず、ATS-SFのみを装備していたが、後にATS-DFが追加された。この他、後に仙台から門司へ転属となった車両もある。
 なお、2017(平成29)年以降、JR貨物では機関車車体側面の「JRF」ロゴマークの省略が進められており、本系列も対象となっている。

EH500-2

EH500-1・2

1次形で、2000(平成12)年3月に製造された。
EH500-2(仙貨)拡大画像を見る
2000.3新製
2015年7月20日 黒磯駅にて

EH500-2

EH500-3〜9

2次形で、2000(平成12)年3月から2001(平成13)年1月にかけて製造された。写真のように、2エンド助士席側屋根上にはGPSアンテナが搭載されているが、後に撤去された。
EH500-8(仙貨)拡大画像を見る
2000.12新製
2016年3月13日 郡山駅にて

EH500-11

EH500-10〜81

2次形で、2001(平成13)年8月から2013(平成25)年3月にかけて製造された。2001(平成13)年度に製造された10〜14は、前照灯・尾灯のカバーが大きく、白帯が15以降に比べて太くなっている。
EH500-11(仙貨)拡大画像を見る
2001.9新製
2017年6月25日 盛岡駅にて

EH500-11

上述のとおり、15以降は前照灯・尾灯のカバー形状が変更されたため、白帯が細くなった。
EH500-55(仙貨)拡大画像を見る
2007.9新製
2016年4月10日 黒磯駅にて

EH500-73

EH500-67以降は側面運転席部分の黒色塗装が縮小された。さらに写真の73以降は尾灯がLED化されている。
EH500-73(仙貨)拡大画像を見る
2011.8新製
2018年7月1日 盛岡駅にて

サイト内検索

サブメニュー

SNS

管理人によるSNSページです。

ページのトップへ戻る