289系特急形直流電車
概説
クモハ289-3501~3521
クモハ683-3501~3521を種車とする制御電動車(Mc)で、基本編成、付属編成ともに新大阪方に連結される。683系は電動車に直流機器を搭載しているため、改造前とは帯色の変化程度で外観上は大きく変わっていない。制御装置は補助電源装置一体型のWPC11、その他にCPを搭載。台車はWDT31、冷房装置は本系列共通でWAUu704Bである。便所なしで、出入台は後位側1ヵ所のみ、定員64名。福知山に所属していた3502と3510は、2019(平成31・令和元)年に683系に復帰した。
モハ289-3401~3412
基本編成にのみ連結される中間電動車(M)で、搭載機器はクモハ289形3500番代に準ずる。前位側に業務用室が設置されており、出入台は後位1ヵ所のみであるが、前位側は業務用扉が設置されている。定員68名。
モハ289-3405(近キト)
モハ683-3405 2003.4新製→モハ289-3405 2015.9改造
2016年3月5日 京都駅にて
クロ288-2001~2012
クロ688-2001~2012を種車とするグリーン制御車。基本編成の白浜・城崎温泉方に連結される。主変圧器、主整流装置といった交流機器が存置されているが、使用停止となっている。屋根上に下枠交差式のパンタグラフ(WPS27C)を搭載している。後位側に運転台が設置され、前頭部は流線形。前位側(連結側)には便・洗面所が設置されている。客室内は座席が2+1の配置で10列設けられ、定員30名である。出入台は後位側の1ヵ所。台車はWTR301。2016(平成28)年から半室グリーン車化改造が行われ、2018(平成30)年までに全車改造されて形式消滅した。
クロ288-2010(福フチ)
クロ682-2010 2003.6新製→クロ288-2010 2015.4改造→クロハ288-2010 2018.8改造
2018年1月21日 和田山駅にて
クロハ288-2001~2012
前述のとおり、クロ288形を交流機器撤去とともに半室グリーン化改造したもので、前位側にグリーン席を5列分残して、仕切りを設け、後位側は普通席(定員18名)となった。また、グリーン席各席にはコンセントが設置された。
クロハ288-2001(福フチ)
クロ682-2001 200211新製→クロ288-2001 2015.5改造→クロハ288-2001 2006.12改造
2018年1月21日 和田山駅にて
クハ288-2701~2709
クハ682-2701~2709を種車とする制御車。付属編成の白浜・城崎温泉方に連結されるため、基本編成と組む場合は編成中間となり、先頭に立つ機会が少ない。後位側に運転台が設置され、前頭部は貫通式、出入台は後位側1ヵ所となっている。主変圧器、主整流装置などの交流機器、屋根上にパンタグラフが搭載されている。定員56名。
2701・2706は2019(平成31・令和元)年に683系に復帰、古巣の金沢に配置された。
サハ289-2401~2409
サハ683-2401~2409を種車とする付随車で、付属編成の編成中間に連結される。2位側に車椅子対応便所、4位側に小便所が設置されている。客室内は前位側に車椅子対応座席2名分が設置され、出入台は前位側と後位側の2ヵ所あるが、前位側のみ車椅子対応のため側引戸の幅が広い。定員62名。
交流機器の撤去が行われていなかった福知山所属の2401と2406は、2019(平成31・令和元)年に交流機器停止が解除されて683系に復帰、古巣の金沢に配置された。
サハ289-2402(福フチ)
サハ683-2402 2002.12新製→サハ289-2402 2015.4改造
2018年10月7日 相野駅にて
サハ289-2501~2508・2510~2512
サハ683-2501~2508・2510~2512を種車とする付随車で、「くろしお」の基本編成2・5号車として連結される。サハ289-2510は改番されたものの、2016(平成28)年7月に廃車となった。2位側に便所、1位側に男子用小便所と洗面所、3位側に車掌室、4位側に業務用室が設置され、出入台は後位側のみ。定員64名。
サハ289-2505(近キト)
サハ683-2505 2003.4新製→サハ289-2505 2015.9改造
2016年3月5日 京都駅にて
サハ288-2201~2212
サハ682-2201~2212を種車とする付随車で、基本編成にのみ連結される。屋根上に下枠交差式のパンタグラフ(WPS27C)を搭載している。主変圧器、主整流装置といった交流機器は使用停止となり存置されていたが、2016(平成28)年から撤去工事が進められた。2位側に車椅子対応便所と洗面所、1位側に男子用小便所と多目的室(写真手前の窓部分)が設置されている。客室内は前位側に車椅子対応座席2名分が設置され、出入台は前位側と後位側の2ヵ所あるが、写真のとおり前位側のみ車椅子対応のため側引戸の幅が広い。定員54名。
サハ288-2205(近キト)
サハ682-2205 2003.4新製→サハ288-2205 2015.9改造
2016年3月5日 京都駅にて
交流機器撤去後の姿を示す。
サハ288-2201(福フチ)
サハ682-2201 2002.11新製→サハ288-2201 2015.5改造→交流機器撤去 2016.12改造
2018年1月21日 和田山駅にて