E235系一般形直流電車
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0番代概説
JR東日本では、209系0番代を改造した試験電車「MUE-Train」の走行実験などで次世代車両の開発に取り組んできたが、これまでの技術開発成果を取り入れた通勤電車として、山手線にE235系一般形直流電車の量産先行車1編成を製作することになり、2015(平成27)年3月に落成した。
6M5Tの11両編成で、総合車両製作所新津事業所で10両が新製、1両が改造された。改造車は10号車で、種車はE231系500番代の10号車に連結されていたサハE231形4600番代(量産先行編成はサハE231-4620)である。
デザインコンセプトは、「お客さま、社会とコミュニケーションする車両」をキーワードとし、前面の大きな窓や表示装置は「人と人、人と社会を繋ぐ情報の窓」を表現、居住空間を広く感じるようなオープンなデザインとされた。
車体は総合車両製作所の次世代ステンレス車両「sustina(サスティナ)」シリーズの大都市向け通勤車両量産型第1号となり、客室内にロゴステッカーが貼り付けられた。「sustina」は、車両構造・機器システムに共通プラットフォームが多用され、衝撃吸収構造、内装ロールバーの採用により安全性の高い車両であるという特長を持つ。山手線のラインカラーの黄緑は、これまでのE231系500番代のような窓下の帯ではなく、側扉部に縦に配された。
旅客サービス面では、腰掛は一人あたりの幅が1cm拡大されて46cmとなったほか、中間車の優先席が増設され、併せて優先席の視認性を向上するために床面の色を濃いピンク色としている。また、車椅子やベビーカー等の乗客のために各車両の車端部に1ヵ所フリースペースが設置された。客室内の吊り手は
E233系のような黒色ではなく、黄緑色となっている。
客室内の広告媒体はデジタルサイネージ(液晶画面)化され、車端妻部と扉間の荷棚上に設置されており、荷棚上のものは個別あるいは3画面連動しての表示に対応している。従来、天井に設けられていた中吊り広告取付部も廃止された。客室内の照明はLEDとなっている。案内表示では、車体前面、側面の行先表示装置はフルカラー化された。
制御方式はVVVFインバータ制御であるが、これまでの2両ユニット方式ではなく、1両に1台の制御装置を搭載する独立M車方式が採用された。主制御器には次世代半導体素子(SiC)が採用され、車両の消費電力をさらに抑制している。また、潤滑や冷却で使用するコンプレッサ油を不要としたオイルフリーコンプレッサ(電動空気圧縮機)の採用により、環境面でも性能が向上している。
安全、安定性の向上という点では、主要機器の二重系化が図られたほか、荷物が挟まれた場合でも荷物を引き抜きやすい改良型戸閉装置が採用されている。
また、技術開発成果の取り入れとしては、車両状態監視機能と地上設備状態監視機能を備え、3号車(量産先行車ではモハE235-3)の屋根上に架線状態監視装置、4号車(量産先行車ではサハE235-1)の床下に線路設備モニタリング装置と慣性正矢軌道検測装置が搭載された。列車情報管理装置は従来のTIMSに代わり、列車内通信速度約10倍のINTEROSが採用された。
東京総合車両センターに配置され、各種試験運転を経たのち、2015(平成27)年11月30日より営業運転を開始した。
その後2017(平成29)年4月より量産車が製造されて同年5月22日より営業運転を開始、2020(令和2)年1月までに量産車49編成が増備されてE231系500番代を置き換えた。
車体側面側引戸上部の黄緑色とステンレスのドット柄のカラーフィルムは、量産先行車ではステンレス表面を表現した色であったが、量産車ではステンレス地が見える透明なフィルムに変更され、量産先行車よりも幅と高さが拡大された。また、側引戸外側のカラーフィルムもステンレス部が極力見えないように配慮された。このほか、量産先行車では前頭部の覆い(黄緑色部分)側面に保安装置標記や軸位標記が貼り付けられていたが、量産車ではステンレス外板部への標記に変更された。このほか、前頭部とステンレス外板の境界色が銀色から黒色に変更された。
なお、量産車のトウ04・トウ05編成の10号車はE231系の改造車ではなく、新造車で、サハE235形500番代となっている。
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1000番代概説
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