113系近郊形直流電車|113系5000番代(JR西日本)
概説
JR西日本では、東海道本線・山陽本線系統に1991(平成3)年から最高速度120
km/hの221系近郊形直流電車が投入されて快速・新快速列車がスピードアップされるのに伴い、113・115系についても1991(平成3)年度より最高速度を100
km/hから110
km/hへ引き上げることになった。こうして、向日町(のちの京都)、宮原、網干に配置されていた113系を対象として、高速化対応を行ったのが本グループで、1992(平成4)年度には日根野所属車にも工事が行われた。
改造内容は、制輪子の変更、応荷重装置の取付、ブレーキシリンダ圧の変更などで、改造後は原番号に5000を足したものとなった。
なお、宮原配置の6両編成(4M2T)編成の電動車については、ブレーキてこ比が2.56から4.19に変更され、5000+1000の6000番代となった。
モハ113形5000番代
モハ113形0番代を高速対応改造したグループ。まず、1991・92(平成3・4)年に施工された。外観上は種車と変更点はないが、種車の製造年次により、通風器や側窓が異なる。
ブレーキてこ比を変更して6000番代に再改造された車両、6000番代からブレーキてこ比を元に戻した上で高速対応はそのままで5000番代に編入または復帰した車両、高速対応を解除して原番復帰した車両もあり、車歴は複雑化している。2010(平成22)年までに区分消滅した。
写真は113系電動車のトップナンバーモハ113-1を種車とするモハ113-5001。
モハ113-5001(神ホシ)
モハ113-1 1964.1新製→モハ113-5001 1991.11改造→2004.11廃車
2003年7月19日 京都駅にて
モハ112形5000番代
モハ113形5000番代とユニットを組む中間電動車。
モハ112-5001(神ホシ)
モハ112-1 1964.1新製→モハ112-5001 1991.11改造→2004.11廃車
2003年7月19日 京都駅にて
クハ111形5000番代
クハ111形0番代を高速対応改造したグループ。写真の5091は冷房装置が分散式のWAU102を搭載していた。原形前照灯であったが、後に簡易的改造によるシールドビーム化、2008(平成20)年に高速対応解除されて原番に復帰した。
クハ111-5091(広セキ)
クハ111-91 1965.9新製→クハ111-5091 1992.3改造→クハ111-91 2008.9改造→2012.10廃車
2004年7月15日 下関駅にて
ユニット窓となったクハ111-194以降のグループを種車とするタイプ。
クハ111-5261(大ヒネ)
クハ111-261 1977.1新製→クハ111-5261 1992.5改造→クハ111-261 2009.12改造→2012.9廃車
2005年7月16日 福知山駅にて
クハ111形300番代の方転改造車であるクハ111-263以降のグループを種車とするタイプ。5265〜5267・5269・527の5両が存在した。
クハ111-5269(神ホシ)
クハ111-462 1967.5新製→クハ111-5269 1984.1改造→2004.10廃車
2003年12月29日 篠原駅にて
クハ111形5300番代
クハ111形300番代を高速対応改造したグループ。
クハ111-5399(大ヒネ)
クハ111-399 1965.11新製→クハ111-5399 1992.11改造→2004.2廃車
2003年2月1日 下関駅にて
通風器が押込式となったクハ111-474以降のグループを種車としたタイプ。
クハ111-5500(大ヒネ)
クハ111-500 1968.12新製→クハ111-5500 1992.10改造→2009.3廃車
2005年7月16日 福知山駅にて
サハ111形5000番代
サハ111形0番代を高速対応改造したグループ。JR西日本に所属していた1〜4の4両全てが1992(平成4)年に改造されたが、2004(平成16)年までに廃車となった。