113系近郊形直流電車|800番代
概説
1986(昭和61)年11月ダイヤ改正における福知山線宝塚以遠と山陰本線福知山‐城崎間電化開業に伴い、普通列車用として113系0番代を耐寒耐雪化改造して投入することになった。
運用効率を考慮し、4両編成のほか、113系にはこれまで存在しなかった2両編成も投入することなり、中間電動車の先頭車化改造が行われ、113系としては初の制御電動車クモハ112・113形が誕生した。1986(昭和61)年にクモハ112・113-801~814、モハ112・113-801~809、クハ111-801~818の64両が改造された。主な改造内容は、床下機器等の耐雪整備、戸閉め機械の半自動化、側引戸にレールヒータ取付のほか、制御車の台車に雪カキ器取付などが行われている。また、先頭車化改造は既に115系などで実績があり、同等の改造内容であるが、クモハ112形については新たに便所を設けた。塗色は降雪時にも判別できるように黄色5号に青20号の帯としている。
種車は113系の初期車であることから、非冷房のまま改造されたもの、冷房改造を併せて行ったもの、冷房改造済みのものとが存在し、通風器についても種車によりグローブ形と押込形とが存在する。
JR発足後、1990・91(平成2・3)年にモハ113-810~819、クハ111‐819~825が、1995(平成7)年にクハ111-826~828が追加改造された。
一方、JR西日本の近畿圏アーバンネットワークにおいて、1992(平成4)年3月のダイヤ改正より113系の最高運転速度を110km/h化してスピードアップを図ることになり、本グループからも一部が改造されて、改造車は原番号に5000をプラスしている。(クモハ112・113-5803・5807・5809、モハ112・113-5803・5808が該当) また、クモハ113-804・808・810・802・801・811・812・805・806・813・814、モハ112-801は1990・91(平成2・3)年に七尾線電化用に交直流化改造されてクモハ415-801~811、モハ414-801となった。
クモハ113-801~814
モハ113-135・134・81・80・163・175・169・160・72・115・145・148・219・230を種車として改造されたもので、801~813の通風器はグローブ形、814・815は押込形。クモハ113-804・808・810・802・801・811・812・805・806・813・814はクモハ415-801~811に、803・807・809はクモハ113-5803・5807・5809に改造されて区分消滅。写真の803は床置形のWAU202により、冷房改造されている。
クモハ113-803(福フチ)
モハ113-81 1965.9新製→クモハ112-801 1986.7改造→1988.10冷房改造1991.12廃車
1989年1月3日 豊岡駅にて
クモハ112-801~814
モハ112-135・134・81・80・163・175・169・160・72・115・145・148・219・230の14両を種車として、1986(昭和61)年に改造された。種車は113系の初期車であることから、非冷房のまま改造されたものと冷房改造済みのものとが存在し、通風器については種車によりグローブ形(801~812)と押込形(813・814)とが存在した。また、JR発足後は冷房改造も行われ、冷房装置はAU75、WAU102、WAU202と3タイプとなった。
JR西日本の近畿圏アーバンネットワークにおいて、1992(平成4)年3月のダイヤ改正より113系の最高運転速度を110km/h化してスピードアップを図ることになり、803・807・809については応荷重装置の取付け・整備、制輪子の変更改造を受け、クモハ112-5803・5807・5809となった。また、802・804・805・806・810~814については2000・01(平成12・13)年に福知山線・山陰本線(篠山口‐城崎間)用にワンマン化改造されて、クモハ112-3802・3804・3805・3806・3810~3814となり、モハ113形800番代を先頭車化した切妻形のクモハ113形3800番代と2両編成を組んでいる。800番代のまま残ったのは801・808であるが、801が1992(平成3)年、808が2002(平成14)年に廃車となって区分消滅した。
クモハ112-801(福フチ)
モハ112-135 1966.11新製→1977.12冷房改造→クモハ112-801 1986.10改造→1991.12廃車
1989年1月3日 豊岡駅にて
モハ113-801~819
モハ112-69・48・146・82・63・101・54・83・86・66・31・30・15・18・164・168・111・12・55から改造。803はモハ113-5803に、801・810~816・819はクモハ113-3801・3810~3816・3819に、818はサハ111-5801にそれぞれ改造。
モハ113-802(本ムコ)
モハ113-48 1965.2新製→モハ113-802 1986.9改造
1990年7月13日 二条駅にて
写真は国鉄時代に冷房改造済だった車両を種車とした例。
モハ113-803(福フチ)
モハ113-146 1966.11新製→1979.4冷房改造→モハ113-803 1986.10改造→モハ112-5803 1997.3改造
1989年1月3日 豊岡駅にて
モハ112-801~809
モハ112-69・48・146・82・63・101・54・83・86を1986(昭和61)年に改造。
801はモハ414-801に、803はモハ112-5803に改造。
モハ112-802(本ムコ)
モハ112-48 1965.2新製→モハ112-802 1986.9改造
1990年7月13日 二条駅にて
写真は国鉄時代に冷房改造済だった車両を種車とした例。
モハ112-803(福フチ)
モハ112-146 1966.11新製→1979.4冷房改造→モハ112-803 1986.10改造→モハ112-5803 1997.3改造
1989年1月3日 豊岡駅にて
クハ111-801~828
クハ111-129・384・148・396・114・445・118・376・78・369・112・398・50・467・94・334・95・390・66・68・151・172・442・451・471・432・435・470を種車として1986(昭和61)年~1995(平成7)年に改造。国鉄時代に改造された801~818は奇数車号が奇数向き、偶数車号は偶数向きでCP搭載のクハ111形300番代を種車として区別していた。806・816はクハ111-5806・5816に改造。
クハ111-803(本ムコ)
クハ111-148 1967.5新製→クハ111-803 1986.9改造→2002.12廃車
1990年7月13日 二条駅にて
写真は偶数向きで、CP付のクハ111形300番代が種車。
クハ111-804(本ムコ)
クハ111-396 1965.12新製→クハ111-804 1986.9改造→1993.3廃車
1990年7月13日 二条駅にて
写真は国鉄時代に冷房改造済だった車両を種車とした例。
クハ111-806(福フチ)
クハ111-445 1966.11新製→1976.11冷房改造→クハ111-806 1986.10改造→クハ111-5806 1997.3改造
1989年1月3日 豊岡駅にて