117系近郊形直流電車|「トレイン117」
概説
JR東海が飯田線の観光列車「そよ風トレイン117」用として、2010(平成22)年に改造したものである。
改造時の編成は1号車からクハ116-203-モハ116-45-モハ117-45-クハ117-23の4両編成であった。
大きく改造されたのは2号車で、客室中央部の座席を全て撤去して窓向きに木製ベンチを配置した「ウィンディスペース」とし、床面は青、腰部は木目調の内装に変更、カーテンロールも木目調となった。側扉は通常の側引戸開閉回路とは分離されて開閉スイッチにより独自に開閉可能なものとし、展望柵が設けられ、走行中にもそよ風を取り入れるというコンセプトである。上部の側窓は取り外され、雨天の場合には雨が吹き込まないように、透明の防水シートが設置されている。2号車のみ外部塗色は飯田線沿線の山、川、風をイメージした配色に変更され、「Train
117」のロゴが取り付けられた。
2号車は出入り自由であるが、1・3・4号車については指定席車とするため、一部の座席の背もたれを撤去し、大型テーブルを設置して、飲食等ができるようになっている。
2010(平成22)年8月1日より豊橋-中部天竜間の「そよ風トレイン117」として運転を開始し、その後は名称を変えての他区間での運行や団臨での運転も行われるようになった。
2011(平成23)年3月には、先頭車がATS-PT対応のクハ116-207とクハ117-28にそれぞれ差し替えられ、同時に外部塗色は全車2号車に合わせたものとなった。
飯田線以外にも東海道線や御殿場線でも臨時列車に使用されたが、2013(平成25)年7月21日に運転された団体臨時列車を最後に引退し、2014(平成26)年1月までに全車廃車となった。
モハ117-45
M車。客室内には大型テーブル設置がなされたが、外観上は塗色変更のみである。写真は2011年秋に運転された「水都大垣トレイン」の時のもので、秋をイメージしたラッピングがなされている。
モハ117-45(海カキ)
1982.1新製→2010.7 トレイン117化改造→2013.12廃車
2011年11月23日 熱田駅にて
2・4位側を示す。写真は「富士山トレイン117」に運用された時のもの。
モハ117-45(海カキ)
1982.1新製→2010.7 トレイン117化改造→2013.12廃車
2012年3月4日 御殿場駅にて
モハ116-45
M'車で、「ウィンディスペース」となり、側扉に展望柵が設置された。
モハ116-45(海カキ)
1982.1新製→2010.7 トレイン117化改造→2014.1廃車
2011年11月23日 熱田駅にて
クハ117-28
熱海方に連結されるTc車。客室内には大型テーブル設置がなされたが、外観上は塗色変更のみである。写真は「富士山トレイン117」に運用された時のもの。
クハ117-28(海カキ)
1982.4新製→2010.7 トレイン117化改造→2013.12廃車
2012年3月4日 御殿場駅にて
クハ116-207
米原方に連結されるT'c車。
クハ116-207(海カキ)
1986.10新製→2010.7 トレイン117化改造→2014.1廃車
2011年11月23日 熱田駅にて