115系近郊形直流電車|300番代
概説
1970(昭和45)年に 113系試作冷房車において近郊形電車についても冷房化が進められることになり、115系においても1973(昭和48)年から原則的に新製時より冷房装置を搭載することになった。また、1972(昭和47)年に発生した北陸トンネル列車火災事故の教訓から防火対策を施すことになり、A-A基準化がなされるなど各種の改良がなされた。こうして誕生したのが 115系300番代 で、1977(昭和52)年までに814両が新製された。
クモハ115-301~326
115系300番代の制御電動車(Mc)車で、奇数向専用である。中央東線用として1975・76(昭和50・51)年に新製されて三鷹に配置されたが、後に岡山などにも転出している。301は1992(平成4)年に110km/h対応改造・ブレーキテコ比変更を行い、5801となり、302は1992(平成4)年に110km/h対応改造されて5302となった後、さらにブレーキテコ比の変更を行い、5802となった。
クモハ115-301(岡オカ)
1975.1新製→クモハ115-5801 1992.5改造
1989年8月2日 岡山駅にて
新製以来中央東線で使用されているオリジナルの姿で、写真は2・4位側を示す。
クモハ115-307(東トタ)
1975.2新製
1990年5月4日 甲府駅にて
JR東日本のリニューアル工事施工車を示す。台車が密封コロ軸受化されている。
クモハ115-325(八トタ)
1976.3新製→2001.9リニューアル改造
2012年11月23日 高尾駅にて
モハ115-301~418
中間電動車(M)車で、1973~77(昭和48~52)年に新製された。定員128(座席76)名。写真は2・4位側を示す。
モハ115-352(宮ヤマ)
1976.6新製→2003.3廃車
2003年3月15日 大宮駅にて
写真は1・3位側を示す。
モハ115-401(宮ヤマ)
1977.11新製→2007.12廃車
2006年7月30日 拝島駅にて
モハ114-301~444
中間電動車(M')車で、1973~77(昭和48~52)年に新製された。主電動機はMT54D、パンタグラフ(PS16)と20kVA MGを搭載する。定員は128(座席76)名。330は1992(平成4)年に110km/h対応改造されて5330となった。329も同様に改造されたが、ブレーキテコ比の変更を行い、5829となっている。写真は2・4位側を示す。
モハ114-372(宮ヤマ)
1976.6新製→2004.9廃車
2003年3月15日 大宮駅にて
写真は1・3位側を示す。
モハ114-427(宮ヤマ)
1977.11新製→2007.12廃車
2006年7月30日 拝島駅にて
JR東日本では、雪害対策のため豊田や松本などに所属する115系のパンタグラフをシングルアーム(PS35系)化している。リニューアル改造された車両もあるが、写真の349は未施工である。
モハ114-349(八トタ)
1976.1新製→1999.2パンタグラフシングルアーム化
2009年9月26日 高尾駅にて
写真のモハ114-374は後位側に霜取り用パンタグラフPS24を増設している。かつて、豊田区の6両貫通編成のモハ114形すべてに改造が及んだが、2008(平成20)年4月現在で残っているのはこの374のみである。前位側のパンタグラフは1998(平成10)年にシングルアーム式のPS35Aとしている。
モハ114-374(八トタ)
1976.6新製→1993.3パンタグラフ増設→1998.11前位パンタグラフシングルアーム化
2008年4月28日 府中本町駅にて
写真はJR東日本長野支社のリニューアル工事施工車で、客室内は化粧板や座席などが取り替えられている。また、補助電源はMGからSIV化され、CPも交換している。パンタグラフもシングルアーム式のPS35Bとなった。
モハ114-388(長モト)
1976.9新製→2002.3リニューアル改造
2007年3月24日 大月駅にて
写真はJR東日本八王子支社のリニューアル工事施工車で、1・3位側を示す。補助電源がMGからSIV化されているのがわかる。
モハ114-361(八トタ)
1976.3新製→2001.9リニューアル改造
2009年9月26日 高尾駅にて
クハ115-301~496
制御車(Tc)で、1973~77(昭和48~52)年に新製された。後位側に便所を設置。定員114(座席62)名。
クハ115-301(東ヤマ)
1973.10新製→2003.1廃車
1990年7月1日 井野駅にて
写真は2・4位側を示す。
クハ115-384(八トタ)
1976.1新製
2009年9月26日 高尾駅にて
JR東日本のリニューアル工事施工車を示す。台車が密封コロ軸受化されている。
クハ115-360(八トタ)
1975.2新製→2000.4リニューアル改造
2012年11月23日 高尾駅にて
サハ115-301~330
付随車(T)で、1973~76(昭和48~51)年に新製された。3位側に便所を設置している。定員124(座席72)名。308・310~312は1984・85(昭和59・60)年にサハ111-301~304に改造された。
サハ115-304(東ヤマ)
1974.10新製→2001.1廃車
1990年7月1日 高崎駅にて
写真の319は本区分で最後まで残った1両で、豊田に配置されて快速「むさしの」などで活躍している。
サハ115-319(八トタ)
1975.12新製
2008年4月26日 新秋津駅にて
2・4位側を示す。
サハ115-319(八トタ)
1975.12新製
2006年6月23日 新秋津駅にて