ITRENINET 鉄道車両形式写真集

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115系近郊形直流電車|2000番代(身延線用)


概説

 山陽(広島・下関)地区の新性能化に伴って新製投入された 2000番代グループに続いて、1981(昭和56)年に身延線の新性能化に伴って増備されたグループ。基本的には山陽地区用と同様だが、使用線区に合わせて一部仕様が変更されている。
 新形式区分としてクモハ115形2000番代とモハ114形2600番代が誕生し、クハは偶数向と増結用の奇数向車が用意された。各車とも冷房準備工事車となっている。また、塗装は赤2号にクリーム10号の帯とし、甲州のワインと富士山の雪をイメージした。モハ114形2600番代は架線高さが低い身延線での運用に際してパンタグラフをPS23Aとし、さらに取付部分を低屋根としている。3両編成を基本とするが、4両編成用に奇数向制御車クハ115-2122~2129も用意された。奇数向制御車は、当初4両運転時に偶数向制御車と変則的に背中合わせで中間に連結され、乗務員室を均等的に配置して乗務員の扉扱をしやすくしていた。しかし、身延線の短編成化に伴い、奇数向制御車は全車新潟地区に転属することになった。1984(昭和59)年に2122と2125は方転してクハ115-2035・2036として転出。その他の車両も同年新潟に転属して使用開始。塗装はすぐに湘南色に改められた。後に順次方転改造が進められ、1986~1989(昭和61~平成1)年までにクハ115-2127・2126・2128・2123・2124がクハ115-2037~2041に追加改造された。その結果、2129のみが方転されずに残る貴重な存在となった。なお、本グループはAU75系の搭載に対応した冷房準備車として新製され、予定通りAU75系が搭載されたものもあるが、一部はJR東日本承継後、分散形のAU712により冷房改造された。
 本グループは当初は全車沼津に配置され、上述のように奇数向制御車は新潟地区に転出、身延線用としては39両が残り、国鉄末期に静岡に転属、JR東海に承継後は塗装は湘南色に改められ、身延線のほか、東海道本線、御殿場線でも活躍したが、2008(平成20)年までに全車廃車となった。

クモハ115-2011

クモハ115-2001~2013

身延線の新性能化に伴って新製された制御電動車(Mc)。制御装置を搭載し、モハ114形2600番代とユニットを組む。定員114(座席65)名。
クモハ115-2011(静シス)拡大画像を見る
1981.6新製→2008.4廃車
1989年2月21日 富士運転区にて

クモハ115-2007

冷房準備車として、AU75の搭載が考慮されていたが、民営化後にJR東海によりインバータ方式の冷房装置C-AU711が搭載された。
クモハ115-2007(静シス)拡大画像を見る
1981.6新製→2008.4廃車
2004年1月12日 沼津駅にて

モハ114-2612

モハ114-2601~2613

クモハ115形2000番代とユニットを組む中間電動車(M')で、身延線の狭小トンネルに対応するため、パンタグラフをPS23Aとし、取付部分を低屋根化している。
モハ114-2612(静シス)拡大画像を見る
1981.7新製→2007.5廃車
1989年2月21日 富士運転区にて

モハ114-2607

民営化後にJR東海によりインバータ方式の冷房装置C-AU711が搭載された。
モハ114-2607(静シス)拡大画像を見る
1981.6新製→2008.4廃車
2004年1月12日 沼津駅にて

モハ114-2609

写真は2・4位側を示す。
モハ114-2609(静シス)拡大画像を見る
1981.6新製→2006.10廃車
2006年8月16日 沼津駅にて

モハ114-2608

モハ114-2608は冬季の霜取り用に1998(平成10)年に後位側にパンタグラフを増設したもので、冬季は限定運用が組まれて活躍した。
モハ114-2608(静シス)拡大画像を見る
1981.6新製→1998.12パンタグラフ増設改造→2008.4廃車
2007年3月15日 富士駅にて

クハ115-2032

クハ115-2022~2034

偶数向制御車で、便所付。定員112(座席62)名。
クハ115-2032(静シス)拡大画像を見る
1981.6新製→2008.4廃車
1989年2月20日 富士運転区にて

クハ115-2030

冷房改造後の形態を示す。
クハ115-2030 (静シス)拡大画像を見る
1981.6新製→2006.10廃車
2006年8月16日 沼津駅にて

クハ115-2028

2・4位側を示す。
クハ115-2028(静シス)拡大画像を見る
1981.6新製→2008.4廃車
2004年1月12日 沼津駅にて

クハ115-2037

クハ115-2035~2041

身延線から奇数向制御車が順次新潟地区向けに転用されたが、クハ115-2122・2125・2127・2126・2128・2123・2124は方転して偶数向となった。改造は転用に際してすぐに行われたものと、転出後に行われたものがあり、1984~1989(昭和59~平成1)年の期間に及んだ。
クハ115-2037(新カヌ)拡大画像を見る
クハ115-2127 1981.7新製→クハ115-2037 1986.10改造
1989年5月21日 吉田駅にて

クハ115-2040

旧新潟色に塗装変更後の姿。
クハ115-2040(新カヌ)拡大画像を見る
クハ115-2123 1981.7新製→クハ115-2040 1989.3改造
1989年5月21日 吉田駅にて

クハ115-2041

クハ111-2036・2038・2041の3両はAU75系の冷房装置を搭載している。写真のクハ115-2041は前位寄りの通風器が1個撤去されている。
クハ115-2041(新ニイ)拡大画像を見る
クハ115-2124 1981.6新製→クハ115-2041 1989.11改造
2013年9月1日 長岡駅にて

クハ115-2035

クハ111-2035・2037・2039・2040の4両はAU712冷房装置を搭載している。写真のクハ115-2035は湘南色の復刻塗装となっている。
クハ115-2035(新ニイ)拡大画像を見る
クハ115-2122 1981.7新製→クハ115-2035 1984.2改造
2013年9月1日 新津駅にて

クハ115-2129

クハ115-2122~2129

2100番代のうち、身延線投入車から便所付となった。当初は全車沼津に配置されて身延線で使用されたが、上述の通り2122・2125・2127・2126・2128・2123・2124がクハ115-2035~2041に改造されたため、写真の2129のみが未改造のまま残った。JR東日本に承継後、冷房装置AU712が搭載された。
クハ115-2129(新ニイ)拡大画像を見る
1981.6新製
2013年11月13日 長岡駅にて

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