東武鉄道300系

概説

　急行「りょうもう」号に使用していた1800系を1991・92（平成3・4）年に日光線系統の6両編成の急行用としてアルナ工機および富士重工で改造したもので、4両編成の350系とともに改造された。
　1800系の1818F・1817Fを種車として2編成が改造が行われた。日光線の急勾配に対応するため、サハ1847・1848については電動車化改造されている。新旧の番号は以下の通り。
クハ301-1+モハ301-2+モハ301-3+モハ301-4+モハ301-5+クハ301-6
（クハ1818+モハ1828+モハ1838+サハ1848+モハ1858+クハ1868）
クハ302-1+モハ302-2+モハ302-3+モハ302-4+モハ302-5+クハ302-6
（クハ1817+モハ1827+モハ1837+サハ1847+モハ1857+クハ1867）
　車体は前面を1800系最終増備車の1819Fと同様に前照灯・尾灯を角形のものとし、補助前照灯と尾灯はLED化された。客室内は内装材を明るいクリーム系に改めるなど、1819Fに準じたものに変更され、塗装はジャスミンホワイトを基調とし、パープルルビーとサニーコーラルオレンジの帯に変更された。
　制御装置は発電ブレーキ付バーニヤ式抵抗カム軸方式となり、ブレーキ装置はHSC方式（電磁直通式空気ブレーキ）からHSC-D（発電ブレーキ併用電磁直通式空気ブレーキ）となった。
　急行「ゆのさと」、「きりふり」等で活躍を開始したが、現在はその後特急化された「きりふり」や、波動用として使用されたが、2017（平成29）年に廃車となった。
（東武鉄道では300・350系列を総称して300系と称し、ここでは「300型」を扱っておりますが、本稿では「300系」と表記しております。）

モハ300-3形

主制御器とパンタグラフ2基を装備する中間電動車（M1）。定員68名。
モハ301-3
モハ1838　1973.7新製→モハ301-3　1991.3改造→2017廃車
2009年5月4日　北春日部駅にて

モハ300-2形

CPを装備する中間電動車（M2）。台車はFS356D（東武形式TRS-62MD）。定員72名。
モハ301-2
モハ1828　1973.7新製→モハ301-2　1991.3改造→2017廃車
2009年5月4日　北春日部駅にて

モハ300-5形

300系改造に際し、主制御器とパンタグラフ1基を持つ中間電動車（M3）で、種車のCPをM4車に移設している。定員72名。こちらも台車はFS396（東武形式TRS-75M）である。
モハ301-5
モハ1868　1979.3新製→モハ1858　1988.10改番→モハ301-5　　1991.3改造→2017廃車
2009年5月4日　北春日部駅にて

モハ300-4形

サハ1848・1847をを種車として電動車化改造（M4）されたもので、MGおよびモハ1858・1857に装備していたCPを本形式に移設している。種車の簡易運転台は撤去された。また、台車は種車が1979（昭和54）年製のため、S型ミンデンのFS396（東武形式TRS-75M）となっている。定員68名。
モハ301-4
サハ1858　1979.3新製→サハ1848　1988.10改番→モハ301-4　1991.3改造→2017廃車
2009年5月4日　北春日部駅にて

クハ300-1形

浅草寄りの制御車（Tc1）で、台車はFS56D（東武形式TRS-62TD）、定員64名。
クハ301-1
クハ1818　1973.7新製→クハ301-1　1991.3改造→2017廃車
2009年5月4日　北春日部駅にて

クハ300-6形

新藤原寄りの制御車（Tc2）で、台車はFS56D（東武形式TRS-62TD）、定員64名。
クハ302-6
クハ1847　1973.7新製→クハ1867　1987.12改番→クハ302-6　1992.8改造→2017廃車
2008年7月20日　下今市駅にて