京王電鉄デワ600形
概説
京王電鉄において6000系を改造した電動貨車である。
5000系を改造した電動貨車の老朽化に伴い、2004(平成16)年に改造された。種車はデハ6107、デハ6407、デハ6457で、それぞれデワ601、デワ621、デワ631となった。
新宿方に連結されるデワ601は、改造前は中間車であったため、クハ6707の運転台部を接合して先頭車化され、ブレーキ制御装置やMGは車内に、床下にCPが設置された。京王八王子方に簡易運転台を新設し、1両単独での運転が可能である。種車の座席、荷棚、吊革等は撤去され、車内には高圧機器室が設置された。また、通気性確保のため、一部の側窓が鎧戸に変更された。塗色は灰色をベースとして腰部に赤白斜め帯の警戒色を配している。
京王八王子、橋本方のデワ631は、ブレーキ制御装置などの床下機器の一部が車内に移設されたため、種車の座席、荷棚、吊革は一部が撤去された。床下の空いたスペースには、CPなどが搭載された。
編成中間に連結されるデワ621は、新宿方に簡易運転台、妻面に前照灯と尾灯が取付けられ、デワ631との2両運転が可能である。一部の床下機器が車内に移設され、ATS装置も車内に設置された。
デワ601の両側とデワ621の新宿方の連結器は棒連結器から電気連結器付の密着連結器に変更され、レール運搬車チキ290形との連結を可能としている。
レール運搬車のチキ291・292を挟み、601-291-292-621-631という編成のほか、2007(平成19)年に製造された軌道検測用のクヤ900形を同様に601と621の間に挟んで使用されたが、老朽化に伴い、新たに登場した事業用電車デヤ900形に置き換えられて2016(平成28)年4月に廃車となった。
デワ601
デハ6107を種車とし、クハ6707の前頭部を接合して先頭車化改造されたもので、新宿方に連結される。パンタグラフを京王八王子方に搭載する。パンタグラフは当初PT-4201であったが、2009(平成21)年にシングルアーム式のPT-7110に換装された。3両中、唯一機器室をもつ。台車は種車のTS-809Aで、冷房装置は屋根上に集中式のFTUR-375-308Aを1基搭載している。
デワ601
デハ6713 1977.11新製→デハ6707 1980.1改番→デワ601 2004.10改造→2016.4廃車
2015年11月2日 若葉台駅にて
デワ631
デハ6457を種車として改造されたもので、京王八王子方に連結される。パンタグラフは京王八王子方に搭載する。
デワ631
デハ6463 1977.11新製→デハ6457 1980.1改番→デワ631 2004.10改造→2016.4廃車
2015年11月2日 若葉台駅にて
デワ621
デハ6407を種車として改造された。床下に種車からの制御装置(MMCHTR-20B)を搭載する。新宿方に簡易運転台が設置され、写真のように妻面に増設された前照灯が見える。
デワ621
デハ6413 1977.11新製→デハ6407 1980.1改番→デワ621 2004.10改造→2016.4廃車
2015年11月2日 若葉台駅にて