福岡市交通局4000系

概説

空港線・箱崎線で使用されている1000N系の置換え用として、2024（令和6）年から川崎車両で製造された。

姪浜方から1〜6号車の6両編成で、在来車の1000N系と2000N系が4M2Tであるのに対し、本系列は全車0.5M車となっており、実質的に3M3Tである。

まず2024（令和6）年度には3編成18両が製造され、車両番号は1000N系01～18 • 2000N系19～ 24に続く25から付番された。

2024（令和6）年 11月29日から営業運転を開始、さらに2025〜2027年度にかけて年度毎に5編成ずつ導入して1000N系を置き換える予定である。

車体・客室設備

1000N系のセミステンレス、2000N系のオールステンレス構造と異なり、アルミ合金ダプルスキン構造を採用している。前面形状は乗務員の視界を考慮した切妻形で、非常口の窓は客室からの眺望を確保するため上下寸法を大きくしている。カラーリングは前面と側面上部に在来車を継承したブルーを、側面窓周りには「空の玄関口」福岡空港と希望の未来をイメージしたスカイブルーを配している。

客室内は明るい白色を基調として、袖仕切り、貫通扉、荷棚にガラスを多用している。扉間のロングシートは6人掛けとし、1人あたりの座席幅を国内最大の480mmとした。乗降扉の上には3画面の案内表示器を設したほか、セキュリティ向上のため車内防犯カメラを4台設置している。また、全車両車端部に優先席を設置、座席の一部は座面を通常座席よりも60mm高くし、肘掛けを設けて立ち座りしやすくしている。車端部のうち1ヵ所はベビーカー・車いすスペースを設置し、介助者用にヒップレストも設けている。優先席とベビーカー・車いすスペースには床面にアイコンを表示するなどしてエリアの明確化を図っている。このほか福岡空港方6号車の海側1ヵ所にフリースペースを設置し、2歳児の子どもでも立って車窓を楽しめるように側窓を大型化している。フリースペースの2人掛けロングシート脇には、空港利用客向けに大型手荷物スペースを設けている。

主要機器

2・5号車に三菱電機製VVVFインバータ制御装置MAP-196-15V365とシングルアーム式パンタグラフ（KP88）を2基搭載する。主電動機は永久磁石不要な同期リラクタンスモータ（三菱電機製MB-5702-A）を世界で初めて本格採用した。補助電源装置は3・4号車に搭載する。台車は曲線通過時の騒音低減を図るため各車とも日本製鉄製リンク式片軸操舵台車SC109を採用、車体中央寄りを付随軸として操舵して、車端寄りを同期リラクタンスモータで駆動する。運転台は左手ワンハンドルマスコンで、ワンマン運転、ATO自動運転に対応している。また、車両情報監視システムにより、車両状態の遠隔監視、故障発生時の状況把握を迅速化している。

4100形

1号車で、姪浜方の制御電動車（Mc1）。床下に蓄電池、ATC／ATO装置などを装備する。海側1ヵ所にフリースペースを設置しており、定員134（座席39）名。
4125
2024.11新製
2025年10月19日　姪浜車両基地にて
※　本ページの写真は鉄道友の会本部行事「福岡市交通局 4000系ローレル賞贈呈式＋撮影会」および交通局主催「地下鉄空港線・箱崎線新型車両4000系ローレル賞受賞記念イベント」で撮影したものです。