E4系新幹線電車

概説

　JR東日本の東北・上越新幹線においては、通勤需要が高まる中で1994（平成6）年にオール2階建て12両編成のE1系「Max」が導入されていたが、輸送力の増加にフレキシブルに対応できるよう8両編成で分割・併合が可能なオール2階建て新幹線電車として開発されたのが本系列である。
　東京方1号車からE453形100番代（Tc）-E455形100番代（M1）-E456形100番代（M2）-E458形0番代（T）-E459形200番代（Tk）-E455形0番代（Mp） -E446形0番代（Ms）-E444形0番代（Tpsc）の8両編成で、番代区分は3+3人掛の腰掛配置の車両が100番代、売店設備がある車両が200番代、略号の「p」は車椅子対応設備付、「k」は売店設備付を示している。8両編成2本を併結した16両編成での座席定員は1,634名と、1本の高速列車として世界最大となった。　
　車体はE1系では普通鋼製であったが、アルミニウム合金製で、押出し形材を用いて軽量化が図られており、車体寸法や形状はE1系に準ずる。先頭部はトンネル走行時の微気圧波や高速走行時の騒音低減を考慮してE1系の9.4mよりもさらに長い11.5mのロングノーズとなっている。外部塗色は側面上部を「飛雲（ヒウン）ホワイト」、下部を「紫苑（シオン）ブルー」とし、中央に「山吹（ヤマブキ）イエロー」の帯を配している。
　客室内はほぼE1系に準じており、腰掛配置は普通車の自由席2階部が3＋3人掛、他の普通席は2＋3人掛で、自由席車の出入台部に跳ね上げ式の腰掛（ジャンプシート）が設置されている。グリーン席は2＋2人掛配置である。
　E1系と異なり、各車両の出入台部にエレベータ方式の車内販売用ワゴン昇降装置を設けており、車内販売に対応している。
　主回路制御はVVVFインバータ制御で、主変換装置（CI9）はIGBT素子を使用、主電動機はかご形三相誘導電動機のMT206となっている。台車は電動車がDT208、付随車がTR7007である。
　1997（平成9）年10月に1次車3編成（P1〜P3編成）が川崎重工業、日立製作所で製造され、仙台（現新幹線総合車両センター）に配置、12月20日より東北新幹線で営業運転を開始した。 2003（平成15）年までに26編成208両が製造され、東北・上越新幹線で活躍した。
　編成番号はP1〜P22が東北・上越新幹線専用、3次車のうちP51・P52の2編成は軽井沢まで入線可能（勾配対応）、4次車のP81・P82編成は勾配対応に加え、60Hzへの切替が可能で長野まで入線可能となっている。
　2001（平成13）年より新潟への転属が開始された。（P81・P82編成は落成時より新潟に配置） 2012（平成14）年3月改正で東北新幹線系統の運用を終了、上越新幹線系統での運転のみとなり、2013（平成15）年にはP2・P3編成が廃車となった。2014（平成16）年から帯色が「朱鷺色」に変更されたが、2017（平成19）年以降、E7系が上越新幹線にも投入されることで順次置換えが進められ、2021（令和3）年10月1日限りで上越新幹線での定期運用を終了した。

E444-1～26

8号車として連結される制御車（Tpsc）で、車椅子昇降装置を備えており、2階グリーン席の車端側2席が車椅子対応座席となっている。定員は2階グリーン席18名、階下普通席25名。平屋部分には洋式便所、車椅子対応便所、小便所、洗面所、多目的室が設置されている。床下にSIV、CPを搭載。冷房装置は先頭車についてはAU218（18,000kcal/h）とAU815（37,500kcal/h）。
E444-18（新ニシ）
2001.12新製
2009年11月8日　高崎駅にて

2014（平成26）年以降、帯色が「朱鷺色」に変更された。写真は2021（令和3）年の引退を控え、ラストランのロゴが掲出された姿。
E444-26（幹ニシ）
2003.11新製
2021年9月25日　熊谷駅にて

E446-1〜26

7号車として連結される中間電動車（Ms）で、2階はグリーン席（定員36名）、階下は普通席（定員55名）。東京方平屋部分に電話コーナーが設置されている。冷房装置はAU815を2基搭載する。
E446-14（新ニシ）
2001.9新製
2009年11月8日　高崎駅にて

塗色変更後を示す。
E446-26（幹ニシ）
2003.11新製
2021年9月25日　熊谷駅にて

E453-101～126

東京方先頭の1号車として連結される制御車で、基本的に自由席車として使用されるため出入台部に「ジャンプシート」と称する跳ね上げ式腰掛が設置されている。定員75（2階40、階下35）名。洋式便所2ヵ所、小便所、業務用室を設置。床下にSIV、CPを搭載する。
E453-126（新ニシ）
2003.12新製
2009年11月8日　高崎駅にて

塗色変更後のものを示す。
E453-126（幹ニシ）
2003.12新製
2021年9月25日　熊谷駅にて

E455-1～26

6号車として連結される中間電動車（Mp）で、屋根上に下枠交差式のパンタグラフ（PS201A）1基、床下にCPを搭載。東京方車端部に平屋構造の客室が配置されている。定員122（2階55、1階12、階下55）名。
E455-18（新ニシ）
2001.12新製
2009年11月8日　高崎駅にて

塗色変更後のものを示す。
E455-26（幹ニシ）
2003.11新製
2021年9月25日　熊谷駅にて

E455-101～126

2号車として連結される中間電動車（M1）で、東京方車端部に平屋構造の客室が配置され、新潟方平屋部にジャンプシートを設置。定員133（2階64、1階14、階下55）名。塗色変更後のものを示す。
E455-114（新ニシ）
2001.9新製
2009年11月8日　高崎駅にて

塗色変更後のものを示す。
E455-112（幹ニシ）
2001.9新製
2021年9月25日　熊谷駅にて

E456-101～126

3号車として連結される中間電動車（M2）で、車端部に機器室、東京方平屋部に電話コーナー、新潟方平屋部にジャンプシートが設置されている。定員119（2階64、階下55）名。
E456-122（新ニシ）
2001.7新製
2009年1月4日　郡山駅にて

塗色変更後のものを示す。
E456-112（幹ニシ）
2001.9新製
2021年9月25日　熊谷駅にて

E458-1～26

4号車として連結される付随車（T）で、屋根上にパンタグラフ（PS201A）を搭載する。東京方平屋部に洋式便所2ヵ所、自動販売機、小便所、洗面所が設置されている。新潟方に平屋構造の客室を設置。定員124（2階55、1階14、階下55）名。
E458-14（新ニシ）
2001.9新製
2009年11月8日　高崎駅にて