スヤ11形試験車
概説
1970(昭和45)年に日本車輌で製造された車両振動測定用の試験車。
電気機関車、ディーゼル機関車、客車、貨車を測定対象とし、走行中の車体、台車、駆動装置、連結器などの応力、荷重、振動加速度、変位などのほか、車輪の横圧、輪重、前後荷重などの輪軸負荷、脱線係数などを測定する。
切妻形車体を持ち、室内は前位寄りから工作室、測定室、データ処理室などが設けられ、後位車端部に車掌室が設置されている。前位寄り車体両側にマヤ34形と類似した観測用の出窓が設置され、1・3位側は二段窓を配し、中央に機器搬入出用の扉が設置されている。一方、2・4位側の窓は1ヵ所を除きHゴム支持の固定窓となっている。屋根上には冷房装置(AU13A)5基を搭載し、床下に計測機器と冷房電源供給用に4VK機関+DM83A発電機を装備している。台車はディスクブレーキ使用のTR221を履き、車輪横圧および輪重測定のため、両端がスポーク車輪となっている。最高速度は150km/h。
尾久に配置され、各種試験に使用されたが、国鉄民営化直前の1987(昭和62)年に廃車となり形式消滅した。