マヤ10形試験車
概説
高性能・大出力の電気機関車の増備に伴い、従来の車両性能試験車マヤ38形に代わる電気機関車用性能試験車として1967(昭和42)年に日本車輌で1両が新製された。
パンタグラフを搭載し、電化区間においてはMGにより電力供給が可能で、電気暖房は機関車からの供給が可能。蒸気暖房も装備している。台車はTR206。冷房装置は屋根上にAU12を4基搭載している。
室内は前位側が測定室で、機関車動輪速度測定装置が設置され、引張力、電圧・電流・電力消費量、空転・滑走、列車の抵抗、速度などといった項目に基づき測定を行う。その他測定机、記録台といった設備が設置されている。後位側パンタグラフ取付部は低屋根構造で、その部分の室内は流し台、更衣室、会議室、物置等が設置されている。車体塗色は国鉄の試験車に共通する青15号に黄1号の帯となっている。
尾久に配置されたが、国鉄民営化直前の1987(昭和62)年に廃車となって形式消滅した。