8000系特急形直流電車
概説
JR四国初の特急形直流電車。
予算本線松山電化に備えて、1992(平成4)年に3両編成1本が試作された。
先に登場した特急形気動車2000系を基本として、最高速度130km/h以上に対応すべく軽量ステンレス車体、振子式が採用された。編成は松山方から8000(Tsc)-8100(M)-8200(Mc)の各形式で、松山方の制御車は流線形であるのに対し、高松方は切妻貫通形となっている。流線形の制御車の連結器は通常カバーで覆われている。カラーリングはシルバーメタリックを基調としてブルーのラインを配し、前面には赤とオレンジのラインをアクセントとした。8000形のグリーン客室は座席が1+2列となっている。
制御装置は7000系近郊形直流電車で実績があるVVVFインバータ制御、台車は高速用のS-DT59、S-TR59である。(量産車ではS-DT60・S-TR60に変更)
パンタグラフはS-PS59で、曲線区間通過時に台車の振子装置の動きに同調して離線を防止するシステム(=パンタグラフ制御装置)が導入された。冷房装置は低重心化のため床下搭載のS-AU59である。
1993(平成5)年から量産車の新製が開始され、新たに8150形(M1)、8300形(T)、8400形(Tc2)、8500(Tc1)が新形式として加わった。試作車のM車は8102以降M2車として区別されている。編成は松山方から8000(Tsc)-8100(M2)-8150(M1)-8300(T)-8400(Tc2)-8200(Mc)-8300(T)-8500(Tc1)として、分割が可能となった。量産車はVVVFインバータが1C1Mの個別制御に変更されている。M車比率の減少に伴い、主電動機は定格容量200kWに増強され、試作車も歯数比変更などの対応を施した。
1998(平成10)年3月ダイヤ改正で全車方向転換が行われ、上記と向きが逆になった。
2004(平成16)年からリニューアル工事が開始され、指定席車の座席を新型Sシートに取り替え、2号車に喫煙室を設置、カラーリングはドア部をグリーン車は赤、普通車指定席はオレンジ、自由席は青として区別したものに変更された。2006(平成18)年度までに全車両のリニューアルが完了した。
8001
グリーン・普通合造の制御車(Tsc)で、8001は試作車。SIV・CPと振子指令制御装置を装備し、屋根上にはパンタグラフも搭載する。便・洗面所付きで定員グリーン18名、普通室16名。台車はS-TR59。
8001(四マツ)
1992.4新製
2002年7月17日 岡山駅にて
8002~8006
量産車で、台車がS-TR60となっている。
8002(四マツ)
1993.3新製
2002年7月17日 岡山駅にて
8101
試作車の中間電動車でVVVFインバータ制御装置を装備。台車はS-DT59。定員68名。
8101(四マツ)
1992.7新製
2002年7月17日 岡山駅にて
8102~8107
量産車の中間電動車で台車はS-DT60に変更された。
8151~8156
量産車から登場した中間電動車(M1)で8100形に準じているが、屋根上にパンタグラフを1基搭載している。台車はS-DT60。便・洗面所付きで定員64名。
8151(四マツ)
1993.3新製
2002年7月17日 岡山駅にて
8201
切妻形の制御電動車(Mc)。VVVFインバータ制御装置を装備し、屋根上にはパンタグラフを1基搭載している。便・洗面所付きで、定員56名。台車はS-DT59。
8202~8206
量産車。台車がS-DT60に変更された。
8203(四マツ)
1993.3新製
2002年7月17日 岡山駅にて
8301~8311
量産車から登場した付随車(T)で、定員68名。台車はS-TR60。
8301(四マツ)
1993.3新製
2002年7月17日 岡山駅にて
8401~8406
量産車から登場した制御車(Tc2)で、前面は切妻形。便・洗面所付きで、他車の便所が和式であるのに対し、本形式のみ大型洋式便所と男子小便所を設置した。また、多目的室、車椅子対応設備を設けており、定員47名。台車はS-TR60。
8401(四マツ)
1993.3新製
2002年7月17日 岡山駅にて
8501~8506
流線形の制御車(Tc1)で、量産車から登場した形式である。SIV・CPと振子制御装置、パンタグラフを搭載している。定員48名。台車はS-TR60。
8501(四マツ)
1993.3新製
2002年7月17日 岡山駅にて