ITRENINET 鉄道車両形式写真集

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781系特急形交流電車


概説

 北海道における電車特急は、1974(昭和49)年に新製された交直流電車485系1500番代によって1975(昭和50)年7月より「いしかり」が運転を開始した。しかし、同車は本州用485系の耐寒耐雪装備を強化したもので、対策が不十分であり、冬期に故障が続発したことから北海道専用の特急形電車を開発することになった。
 こうして1978(昭和53)年に試作車6両が新製されたのが 781系 である。
 すでに北海道専用の電車としては、711系近郊形交流電車があったが、この781系は711系の実績を踏まえた設計となった。クモハ781、モハ781、クハ780、サハ780の4形式によって構成され、485系のようにMM'ユニットではなく、MTユニットとして、M車には主制御器、MG・CPを搭載、パンタグラフ・主変圧器・主整流器などをT車に搭載している。
 試作車は1979(昭和54)年から485系1500番代とともに札幌-旭川間の「いしかり」として運用を開始した。
 量産車は1980(昭和55)年に6両編成7本42両が新製され、同年10月の室蘭電化により室蘭-札幌-旭川間の特急「ライラック」として運転を開始した。
 1986(昭和61)年11月ダイヤ改正で単編成化(4両)が実施されることになり、サハ780形4両をクハ化、モハ781形4両をクモハ化改造している。
 JR北海道に承継され、1988(昭和63)年にはアコモデーション改良を実施。1991(平成3)年からは乗降時間短縮化のためクハとサハについては2扉化を行った。
 塗装はクリーム4号に赤2号の国鉄特急色で、雪の中でも識別できるよう前面にまで帯を巻いていたが、1992(平成4)年より気動車特急「スーパーとかち」に準じたものに変更した。
 1992(平成4)年7月の新千歳空港駅開業によるダイヤ改正で新千歳空港-札幌-旭川間の快速「エアポート」・特急「ライラック」と札幌-室蘭間の特急「すずらん」に運転系統が分離された。(快速「エアポート」運用は2002年に消滅)
 1993(平成5)年には一部のモハについても2扉化を実施、クモハは1扉のまま残ったが、2001(平成13)年にそのうち6両を指定席車「uシート」としてグリーン車並のリクライニングシートに変更、塗装も識別化のために青帯+赤帯に変更して一般車と区別している。
 新製以来札幌運転所(札サウ)に配置されていたが、2003(平成15)年には8両が函館に転属してうち6両が津軽海峡線の客車快速「海峡」廃止によりそれまで客車で運転されていた「ドラえもん海底列車」に代わる列車として整備された。しかし、青函トンネルの新幹線工事施工に伴い2006(平成18)年に運転を終了、札幌に配置されていたグループも、「uシート」連結車両は基本的に特急「ライラック」に、それ以外は特急「すずらん」に運用されていたが、2007(平成19)年に廃車となり、全廃となった。

0番代

 781系の量産車グループで、1980(昭和55)年に42両が新製された。
 試作車との違いとして、外観上は冷房故障対策として設けられていた側面の非常窓を廃止、側引戸と行先表示器のガラス支持方式がHゴムからステンレス押さえに変更された点が目立つ。

クモハ781-4

クモハ781-1~7 

札幌方の制御電動車で、主制御器、MG・CPを搭載する。屋根上には発電ブレーキ用の抵抗器を設けている。冷房装置は屋根上にAU78(26,000kcal/h)を1基搭載。台車はDT38A。定員56名。
運転台上部のスタビライザーは新製当初はなかったもので、1980年代後半に取り付けられた。
クモハ781-4(札サウ)拡大画像を見る
1980.7新製→2001.5uシート改造→2007.10廃車
1987年6月12日 旭川駅にて

クモハ781-1

クモハ781形0番代(uシート車) 

快速「エアポート」用に指定席を「uシート」と呼ばれる新型のリクライニングシートにグレードアップした車両で、2001(平成13)年に苗穂工場でクモハ781-1~6の6両が改造された。客室内は指定席と自由席との間にパーティションを設け、シートピッチも拡大した。定員は44(uシート28)名。塗装は識別のため側面の帯色を変更した。その後、快速「エアポート」の運用がなくなり、その後は主に特急「ライラック」に運用された。
クモハ781-1(札サウ)拡大画像を見る
1980.6新製→2001.3uシート改造→2007.10廃車
2006年7月17日 岩見沢駅にて

モハ781-10

モハ781-1~14

中間電動車で、クモハ781形と同様に主制御器、MG・CPを搭載する。屋根上には発電ブレーキ用の抵抗器を設けている。台車はDT38A。定員68名。1・3・11・13は1986(昭和61)年に先頭車化改造されて、クモハ781-101~104となった。
モハ781-10(札サウ)拡大画像を見る
1980.6新製→1993.6客扉増設→2007.11廃車
1988年9月22日 旭川駅にて

モハ781-8

モハ781形0番代(客扉増設改造車) 

1993(平成5)年に前位側に出入台を増設して2扉となったグループ。2・4・6・8・10・12の6両が改造された。定員は64名に変更されている。
モハ781-8(札サウ)拡大画像を見る
1980.7新製→1993.11客扉増設→2007.10廃車
2006年7月17日 岩見沢駅にて

モハ781-8

写真は1・3位側を示す。
モハ781-8(札サウ)拡大画像を見る
2006年7月17日 岩見沢駅にて

クハ780-1

クハ780-1~7 

室蘭・旭川方の制御車で、パンタグラフ、主変圧器、主整流器を搭載している。台車はTR208A。便所付きで定員64名。
クハ780-1(札サウ)拡大画像を見る
1980.6新製→1992.7客扉増設→2007.10廃車
1987年6月12日 札幌駅にて

クハ780-1

クハ780形0番代(客扉増設改造車)

1991(平成3)年から出入台を前位側に増設して、定員は44名になった。1~7が改造されたが、7は2003(平成15)年にドラえもん海底列車用に改造された。パンタグラフは2004(平成16)年からシングルアーム式のN-PS785に変更されている。
クハ780-1(札サウ)拡大画像を見る
1980.6新製→1992.7客扉増設→2007.10廃車
2006年7月17日 岩見沢駅にて

サハ780-10

サハ780-1~14

付随車で、クハ780形と同様にパンタグラフ、主変圧器、主整流器を搭載している。台車はTR208A。車掌室、業務用控室、便所付き。定員64名。1・3・11・13は1986(昭和61)年に先頭車化改造されて、クハ780-101~104となった。
サハ780-10(札サウ)拡大画像を見る
1980.6新製→1993.6客扉増設→2007.11廃車
1988年9月22日 旭川駅にて

サハ780-8

サハ780形0番代(客扉増設改造車) 

1991(平成3)年から出入台を前位側に増設して、定員は48名になった。2・4~10・12・14の10両が改造され、5・14は2003(平成15)年にドラえもん海底列車用に改造された。パンタグラフは2004(平成16)年からシングルアーム式のN-PS785に変更された。
サハ780-8(札サウ)拡大画像を見る
1980.7新製→1993.3客扉増設→2007.10廃車
2006年7月17日 岩見沢駅にて

サハ780-7

2・4位側を示す。
サハ780-7(札サウ)拡大画像を見る
1980.7新製→1992.12客扉増設→2007.10廃車
2006年7月19日 苗穂駅にて

先頭車化改造車

 国鉄末期には各地で短編成化による輸送改善が行われたが、北海道地区においても同様で、1986(昭和61)年3月・11月ダイヤ改正において781系の編成短縮(6両→4両)を行うことになった。そこで、モハ781形4両とサハ780形4両を先頭車化改造が苗穂工場にて施工された。

クモハ781-103

クモハ781-101~104

モハ781- 1・3・11・13を先頭車化改造して札幌方の制御電動車としたもので、種車の後位寄りに運転台を取り付け、出入台と雪切室は運転室後部に移設された。その他は種車の機器をそのまま引き継いでおり、主制御器、MG・CPを搭載する。屋根上には発電ブレーキ用の抵抗器を設けている。冷房装置は屋根上にAU78を1基搭載。台車はDT38A。定員56名。
クモハ781-103(札サウ)拡大画像を見る
モハ781-11 1980.1新製→クモハ781-103 1986.9改造→2007.10廃車
2006年7月19日 苗穂駅にて

クハ780-103

クハ780-101~104

サハ780- 1・3・11・13を先頭車化改造して旭川方の制御車としたもので、種車の前位寄りに運転台を取り付け、後位寄りの専務車掌室と業務用控室を撤去して4名分の座席と側窓を設けた。また、車掌室撤去部分に一部機器を配置したため定員が0番代よりも4名少ない60名となっている。パンタグラフ、主変圧器、主整流器を搭載し、台車はTR208A。便所付き。
0番代と同様に1992・93(平成4・5)年に前位寄りに客扉を増設する改造が行われている。
クハ780-103(札サウ)拡大画像を見る
サハ780-11 1980.1新製→クハ780-103 1986.9改造→2007.10廃車
2006年7月19日 苗穂駅にて

900番代

 781系の試作車で、1978(昭和53)年に6両が新製された。
 試作車では、冷房故障時の対策として、各車とも片側2ヵ所の側窓上部が内傾して開く構造とされたが、1981(昭和56)年10月の量産化改造により、量産車と同様に固定窓化された。また、先頭車運転台後部屋根上に設置されていたガーランド通風器も撤去されている。

写真はありません

クモハ781-901

制御電動車(Mc)で、冷房装置はAU78X(24,000kcal/h)。

モハ781-901

モハ781-901・902

試作車の中間電動車(M)。
モハ781-901(札サウ)拡大画像を見る
1978.11新製→1981.10量産化改造→2007.6廃車
1988年9月22日 旭川駅にて

クハ780-901

クハ780-901

試作車の制御車(T'c)。
クハ780-901(札サウ)拡大画像を見る
1978.11新製→1981.10量産化改造→2007.6廃車
1988年9月22日 旭川駅にて

写真はありません

サハ780-901・902

試作車の付随車。

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