457系急行形交直流電車
概説
急行形交直流電車は従来使用線区に応じて交流50Hz、60Hzに分けて新製が続けられていたが、既に特急形電車においては交流50Hz/60Hz共用の3電源方式の485系、583系が登場しており、抑速ブレーキ付きの455・475系の増備車として3電源方式を採用したものが457系である。制御車と付随車については従来通り455系とされ、457系としてはMcM'19ユニットの38両が1969~71(昭和44~46)年に新製された。
車体は455・475系を基本としているが、新製時より冷房装置が搭載され、Mc車は屋根上に分散式のAU13Eを5基、M'車は集中式のAU72を1基搭載している。冷房設置に伴い、扇風機は廃止された。
交流50Hz/60Hz共用に伴い、主変圧器がTM14に変更され、主整流器はRS22Aとなっている。台車はDT32B。
2015(平成27)年までに全車廃車となった。
クモハ457-1~19
457系の制御電動車(Mc)で、主制御器・主抵抗器などの直流機器を搭載している。定員76名。16~19は主制御器がCS15BからCS15Fとなり、便・洗面所がFRP製のユニットタイプに変更された。定員76名。
写真はJR西日本の延命NA工事施工車。近郊化改造により車端部はロングシート化され、定員100(座席70)名となった。また、写真のように通風器の撤去、車外スピーカの取付が行われた車両もある。
クモハ457-19(金サワ)
1971.4新製→1984.4近郊化改造→1986.3特別保全工事→1989.2延命NA工事→2014.6廃車
2007年7月17日 高岡駅にて
1・3位側を示す。
クモハ457-19(金サワ)
2007年7月16日 富山駅にて
JR東日本の仙台車両センターに所属していた車両。国鉄時代に特別保全工事が施工され、民営化後に前面強化工事を受け、アンチクライマ付きとなった。
クモハ457-11(仙セン)
1970.9新製→1987.3特別保全工事→1988.2近郊化改造→2008.1廃車
2004年8月12日 郡山駅にて
モハ457-17
JR西日本において、編成中間に組み込まれるクモハ457-17の運転機器を撤去したもので、2010(平成22)年9月に改造されたが、2011(平成23)年6月に廃車となり、僅か9ヵ月で形式消滅した。
モハ456-1~19
457系の中間電動車(M')で、主変圧器、主整流器などの交流機器、パンタグラフ(PS16D)、CPを装備している。定員84名。
モハ456-13(仙セン)
1970.9新製→1978.1特別保全工事→1986.10近郊化改造→2007.12廃車
1985年11月24日 山形駅にて
近郊化改造により定員108(座席78、JR東日本所属車は76)名となった。
写真はJR西日本の延命NA工事施工車。車端部はロングシート化され、座席のモケットが交換されている。また、通風器が撤去され、車外スピーカおよびLED式の行先表示器が取付けられている。
モハ456-19(金サワ)
1971.4新製→1984.4近郊化改造→1986.3特別保全工事→1989.2延命NA工事→2014.6廃車
2007年7月16日 富山駅にて
写真はJR東日本に所属していたもので、モハ456-12は車両更新工事が施工されていたが、写真の11と13は国鉄時代に特別保全工事が施工されている。
モハ456-11(仙セン)
1970.9新製→1987.3特別保全工事→1988.2近郊化改造→2008.1廃車
2004年8月12日 郡山駅にて