クモヤ441形交直流牽引車
概説
交直流牽引車としては、1970(昭和45)年にモハ72形を改造したクモヤ440-1・2が存在したが、本形式はその増備形として1976~78(昭和51~53)年にモハ72862・864・852・853・857・923・935を郡山工場で改造したものである。
クモヤ440形と異なり、全ての交直流電車との協調運転を可能とし、交流区間では無動力車1両牽引で最高速度95km/hによる運転が可能である。
車体は新製で、低屋根構造となっているが、身延・中央線には乗入れできない。前面は高運転台貫通式で、クハ103形1000番代のように窓は傾斜型のものとなり、前照灯は上部にシールドビーム2灯式のものが取付けられた。側扉は片側1ヵ所で、そのほか車体には高圧機器類対応のヨロイ戸が設けられている。2・4位側中央部の車内には機器室が設置され、主変圧器・抵抗器等やCP、自車のほか2両分の電源供給が可能な70kVA
MGが取付けられている。屋根上の通風器は取付けられず、機器の搬出入の利便性を考慮して屋根中央の機器室部分は10490mmにわたり開閉可能である。なお、台車は種車のDT20Aを流用している。
秋田・水戸・仙台・盛岡などに配置されたが、2006(平成18)年までに全車廃車となって形式消滅した。
クモヤ441-1~7
クモヤ441-3(仙セン)
モハ72852 1956.12新製→クモヤ441-3 1977.5改造→2003.7廃車
1988年7月31日 仙台電車区にて