クモエ21形救援車
クモエ21形概説
クモエ21形は、脱線・衝突事故や車両故障などが発生した際に復旧作業を迅速に行うための救援車で、室内にはクレーン、資材、工具等を装備している。1963~70(昭和38~45)年にクモハ11形から10両が改造された。クモエ21000~003・005は旧モハ30系、クモエ21004・006~009は旧モハ31系が種車となっている。改造時期、改造工場、種車の違いによって形態はバラエティに富んでいた。
800番代
クモエ21800は、1969(昭和44)年に浜松工場でクモハ11231を救援車に改造したクモエ21008を1975(昭和50)年に長野工場で再改造したものである。後位側を低屋根化し、前位寄にあったパンタグラフを後位側に移設している。神領区に配置されていたが、JR移行前の1987(昭和62)年に廃車となって形式消滅した。しばらく神領に保管後、佐久間レールパークに保存展示されたが、その後解体されてしまった。
なお、クモエ21800の種車であるクモハ11200~11270は、1929~31(昭和4~6)年に新製されたモハ31形を改番したもので、片運転台の17m3扉ロングシート車。1953(昭和28)年6月1日の車両称号規定改正によりモハ11形となり、1959(昭和34)年6月1日の称号改正でクモハ11形となった。
クモエ21800
クモエ21800(名シン)
モハ31055 昭和5新製→モハ11231 1953.6称号改正→クモハ11231 1959.6称号改正→クモエ21008 1969.3改造→クモエ21800 1975.4改造→1987.2廃車
1990年5月2日 神領電車区にて