443系交直流電気検測試験車
概説
架線および信号関係の検測を行う交直両用の電気検測車として、1975(昭和50)年に2両ユニットの2編成4両が近畿車輛で製造された。
車体は同時期に製造されていたクハ481形300番代を基本としている。全ての電化区間(保安装置の関係によりATC化された線区を除く)を走行可能とするよう、低屋根構造となっている。塗色は赤13号を基調としてクリーム4号の帯を巻いている。
クモヤ443形は架線関係の検測を行うもので、全体が低屋根構造となっている。屋根上に測定用パンタグラフ(前位PS910、後位PS909)を搭載し、観測ドームや照明装置が設置されている。室内は両端(1位側および4位側)にクーラー室(床置形のAU41冷房装置を2基ずつ設置)と、高圧室(2位側および3位側)が設置されている。中央部には前位側からサーボ機構、観測台、データレコーダーなどが設置されており、2・4位側に機器搬入用の扉を備えている。主電動機はMT54D、台車はDT32I。
クモヤ442形は信号関係の検測を行うもので、主変圧器・主整流器などの交流機器とともに、屋根上には集電用パンタグラフとAU13EN冷房装置を3基搭載している。室内は前位側に電源室と物置を設置、中央部に測定盤や会議室、機器室等を有し、出入台の後部には3位側に便所、4位側に洗面時が設置されている。また、2・4位側には機器搬入口が設けられている。MG・CPを装備。
1が勝田、2が向日町(後の京都)に配置され、民営化後はそれぞれJR東日本とJR西日本に承継されたが、1は2003(平成17)年に廃車、2も2021(令和3)年に廃車となった。
クモヤ443-1・2
後位側のパンタグラフは撤去されている。
クモヤ443-2(近キト)
1975.7新製→2021.7廃車
2013年12月23日 柘植駅にて
3・1位側。手前は高圧室となっている。
クモヤ443-2(近キト)
2013年12月23日 柘植駅にて
1・3位側側面中央部。屋根上の観測ドームと車体側面の機器搬入口部分。
2013年12月23日 柘植駅にて
クモヤ442-1・2
クモヤ442形は分散形の冷房装置を搭載しているため、クモヤ443形とは印象が異なる。
クモヤ442-2(近キト)
1975.7新製→2021.7廃車
2013年12月23日 柘植駅にて