ITRENINET 鉄道車両形式写真集

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733系通勤形交流電車


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基本番代グループ概説

 JR北海道において、2012(平成24)年に予定されていた札沼線(学園都市線)桑園-北海道医療大学間の電化開業に合わせて、 札幌都市圏の輸送力増強を図るため、新製された。
 731系通勤形交流電車を基本とし、2010(平成22)年に製造されたアルミ試作車と仕様や搭載機器を合わせて製作された。 旭川方からTc1MTc2の3両編成で、主回路機器は中間車であるM車に集中搭載され、Tc1車とM車は100番代、Tc2車は200番代と いうのも731系や735系に準ずる。
 車体は軽量ステンレス構体で、731系よりも側面強度を増強、車体断面は731系や735系とは異なり、車体幅を92mm拡大して 2,892mmとなっている。先頭部は731系に準じた構造で、鋼鉄製。踏切事故から運転士を守るため、衝撃吸収構造となっている。 在来車と併結運転を行うため、運転台部分の床面高さはレール面から1,200mm、客室の床面高さはレール面から1,050mmで、 この間の段差部分はスロープ状となっている。運転台の機器配置は731系に準ずる。小樽方先頭部のホロは731系で採用された 自動ホロではなく、721系をベースとしている。車体長は731系と同様で先頭車が21,670mm、中間車が21,300mmである。
 床下機器への冬期の着雪を減少させるため、機器箱を車体にぎ装し、機器箱間をステンレスのふさぎ板で覆う「床下機器 カバー」を設置している。
 客室内は731系を基本としており、オールロングシートであるが、735系と同様、側出入口横の跳ね上げ式腰掛は廃止されている。 腰掛のカラーリングは北海道の草原をイメージした緑色である。735系と同様、スタンションポールと吊り手は731系よりも 数を増やし、吊り手は優先席部分のすべてと一般座席部分の一部は背の低い乗客向けに1,590mmの高さとしている。また、非常通報 装置は、731・735系よりも取付位置を約400mm下げている。側窓は固定式で、側引戸窓とともに、ガラスとポリカーボネートの複層構造である。 側窓にはカーテンは設置されておらず、室内側ガラス面に熱線吸収フィルムが取付けられている。側出入口扉は従来の北海道地区の一般形電車と 同様、片開き式で、開口幅は731系と同じ1,150mmであるが、開口高さは20mm拡大されて1,870mmとなっている。側引戸は半自動対応で、735系と 同様に視認性を向上した押ボタンスイッチを採用、側引戸横と上部には外気の室内への流入を抑えるため、エアカーテン装置かせ設置されている。 便所はTc1車の2位側に735系よりもスペースを拡大した車椅子対応大型便所が設置されている。冷房装置は屋根上に集中式のN-AU733 (30,000kcal/h)を1基搭載している。
 制御方式はIGBT素子を使用したVVVFインバータ制御で、1基の主変換装置で主電動機2台を制御する1C2Mを1群として、2群とした構成である。 主変換装置はモハ733-101~108は日立製作所製のN-CI-733-1、モハ733-109~112は三菱電機製N-CI-733-2を搭載、主変圧器はモハ733-101~108は 三菱電機製のN-TM-133-1-A、モハ733-109~112は東芝製のN-TM-133-2-ANを搭載している。主電動機は731系以降採用されている三相かご形誘導電動機 N-MT731(230kW)から配線の固定部を変更したN-MT731Aで、冷却方式は基本番代グループにおいては従来と同様、2・3位側に設置された雪切室からの 冷却風による強制冷却方式である。
 ブレーキ装置は、回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキである。パンタグラフはM車の後位側にN-PS785を搭載する。
 台車はN-DT733、NーTR733で、JR北海道の電車では初めて踏面両抱式のユニットブレーキが採用された。
 2014(平成26)年までに21編成(B-101~121編成)63両が川崎重工業で製造され、札幌に配置、函館本線小樽-岩見沢・滝川間、千歳線・ 室蘭変遷札幌-新千歳空港・苫小牧間、札沼線(学園都市線)札幌-北海道医療大学間で721系(3両編成)731系、735系と共通運用されている。

1000番代概説

 2016(平成28)3月26日に開業する北海道新幹線アクセス列車として、函館本線函館-新函館北斗間に運転される「はこだてライナー」用として、 2015(平成27)年に登場したグループで、3両編成4本が製造された。
 札幌都市圏で使用されている3000番代を基本とし、函館方からクハ733形1000番代(Tc)+モハ733形000番代(M)+クハ733形2000番代(Tc2)の 3両編成であるが、「新幹線と連携・一体感」と「函館らしさ・北海道らしさ」をコンセプトとして、北海道新幹線車両H5系と同様、ラベンダーを イメージした紫色とJR北海道のコーポレートカラーの萌黄色の帯を配している。また、客室内は「北海道の豊かな自然」と「函館の異国情緒」を イメージして、腰掛は北海道の草原のイメージからグリーン系、側出入口付近はパーティションに北海道の自然を感じる木目調に、扉部分は函館の レンガ倉庫や修道院を連想させるレンガ色としている。また、前面と側面には函館山のロープウェイと五稜郭、水色で海と空、赤茶色でレンガ倉庫 をイメージした「はこだてライナー」のヘッドマーク、エンブレムが貼られている。
 函館に配置され、2016(平成28)3月26日より「はこだてライナー」(快速・普通)各列車に使用されている。

3000番代概説

 札幌都市圏における通勤時間帯の混雑緩和と、快速「エアポート」の快適性向上のため、2014(平成26)年から製造された。
 編成は、滝川・苫小牧・新千歳空港方(1号車)からクハ733形3100番代(Tc1)+モハ733形3100番代(M)+サハ733形3100番代 (T)+サハ733形3200番代(Tu)+モハ733形3200番代(M)+クハ733形3200番代(Tc2)の6両編成で、4号車は指定席のuシート車 (回転式リクライニングシート)で、その他の車両は基本番代グループと同様、ロングシートとなっている。初代のuシート車組込み 快速「エアポート」721系3000番代に合わせて3000番代と区分された。
 車体は733系基本番代グループをベースとして、乗降口のステップレス化、3号車への車椅子対応大型便所設置などバリアフリー化を 推進し、客室内の照明はすべてLED照明として消費電力の低減が図られている。
 車体の飾り帯は、ロングシート車については基本番代グループと同様、JR北海道のコーポレートカラーである萌黄色とし、uシート車の 4号車については721系のuシート車と同様、赤と青の帯を巻となっている。
 733系基本番代グループと異なり、主電動機を全閉式とし、雪切室を廃止したため、客室内のスペースが拡大している。
 冷房装置は4号車が前位と後位の2室に分かれたことにより、0番代のものから設計変更され、N-AU733Aとなり、他の号車についても それに合わせている。
 721系で行われていたuシート車におけるFM文字放送によるニュース等の配信は廃止され、FM文字放送の終了に伴い、721系においても 同サービスは廃止された。
 2015(平成27)年までに5編成(編成番号はB-3101~3105+B3201~3205)30両が川崎重工で製造され、札幌に配置されて快速「エアポート」 を中心として、札幌圏の快速列車や普通列車に使用されている。
 また、本グループの投入により、国鉄時代から活躍していた711系は引退した。
2 016(平成28)年3月26日ダイヤ改正より特急「スーパーカムイ」の新千歳空港駅-札幌駅間の快速「エアポート」の直通運転を終了し 札幌駅で系統分離されたため、快速「エアポート」は721・733系のみの運用となっている。
 2018(平成30)年度にさらに4編成が増備された。

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