ITRENINET 鉄道車両形式写真集

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HD300形ハイブリッド機関車


試作車概説

 JR貨物では、発足後、貨物の輸送力増強を目的とした機関車の開発が行われていたが、貨物駅構内で使用する入換作業については、国鉄から承継されたDE10形液体式ディーゼル機関車が主に使用されていた。しかしながら、車齢は40年を超え、老朽化が進んでいることから、置換用として開発されたのが本形式である。 近年、産業界においては大気汚染防止のため窒素酸化物(NOx)および粒状物質(PM)などの排出量削減が進められており、鉄道事業においても環境負荷低減が求められていた。従来のディーゼル機関車において排出ガス軽減を実現するには、装置の搭載スペースの確保やぎ装面での制約があることから、ディーゼル機関と大容量蓄電池によるハイブリッドシステム(動力協調システム)を採用することとなった。
 「環境にやさしいクリーンな機関車」をコンセプトとし、有害排出ガス(窒素酸化物)をDE10形に対し30~40%以上低減、車外騒音レベルをDE10形に対し10dB(A特性)以上低減、エンジンの効率的運転と回生ブレーキの活用によるCO2の大幅低減を目的に開発が進められた。
 ハイブリッドシステムの方式としては、エネルギーを一時的に蓄える主蓄電装置、発電機とエンジンを組み合わせた発電装置、主変換装置および主電動機から構成され、ディーゼル発電機からの電力と蓄電池からの電力を協調させてモーターを制御する「シリーズ式ハイブリッドシステム」が採用された。
 車体はDE10形と同様のセミセンターキャブタイプで、運転室の機器類はレール方向に配置した横向き運転台となり、ハンドル類は新形式機関車と同方式ではあるが、入換作業特有の頻繁なブレーキ取扱を考慮して単独ブレーキを主体として右手操作による操縦する方式となっている。また、運転台からの視界確保のため、台枠上面のレール面上高さはDE10形と同様に1,200mmである。 塗色はEF510形0番代と同様の赤(フレートレッド)をベースとし、窓周りが黒、裾部が白、ステップや下回りが灰色、前面下部が黄色と黒のゼブラ塗装となっている。 ボンネット部はDE10形では内部に収納した機器を覆うカバーにより構成していたが、本形式では検修作業の効率化と将来の拡張性を考慮し、前位側から主変換モジュール、蓄電モジュール、運転室モジュール、発電モジュールで構成した「モジュラーコンセプト」が導入された。これにより、主蓄電池装置を今後開発が進められる高性能蓄電池に換装可能とするなど、モジュールの交換による性能変更が可能な構造となっている。 通路部は、新形式機関車の標準となる600mm幅とし、台枠側面には手すりを配置、車端部に操車担当者(入換作業員)と運転士の安全確保のため、大型のステップが設けられている。また、連結器上部の手すりに連結器灯を設置し、夜間における連結・解放作業時の操車担当者の視認性向上が図られている。
 走行性能は、入換作業に特化するため、力行時の最高運転速度を45km/hとし、本線での回送手段は自力回送ではなく、他の機関車牽引による無動力回送(最高速度110km/h)を前提としている。 主電動機は永久磁石同期電動機(FMT101)を初めて採用、全密閉自冷式構造のため、冷却用ファンが不要となっている。 主変換装置はIGBT素子を使用したPWMコンバータ、PWMインバータ、補助電源装置、負荷接触器、高速度遮断器などの保護回路を一体のモジュールとしている。また、床下には空気圧縮機、燃料タンク(1,600ℓ)、制御用蓄電池が配置されている。
 台車はDF200形電気式ディーゼル機関車で使用しているFDT100をベースとした、ボルスタレス軸はり式のFDT102(1エンド)、FDT102A(2エンド)となっている。保安装置はATS-SFを装備し、デッドマン装置を設置している。
 2010(平成22)年3月に試作車(901)が落成し、各種走行試験が実施された。その結果窒素酸化物の排出量はDE10形に対して64%、車外騒音レベルを22dB、燃料消費量41%削減の実績が得られた。

HD300-901

HD300-901

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2010.3新製
2012年11月18日 東京貨物ターミナル駅にて

HD300-901

2エンド側を示す。
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2012年11月18日 東京貨物ターミナル駅にて

0番代概説

 試作車の実績を踏まえて2012(平成24)年1月以降、量産車が順次導入されている。
 量産車は、運転士の視認性向上のため、運転室扉窓を下方に拡大したほか、運転台部分の車体においてブレーキ制御装置や元空気タンクの点検扉が二分割された。また、区名札差しなどの位置も変更されている。前頭部については、ステップが縮小されてゼブラ塗装部分の排障器の幅が拡大し、手すりが直線状に改められた。また、ジャンパ栓は車体に収納され、尾灯は角形LED化されて前照灯とともに収納、連結器周りのLED照明には覆いが設けられて角度は固定となった。 運転室においては運転台床面高さを下げて運転室内の段差を緩和し、計器、スイッチ類についても視認性と操作性を向上するため、見直しが行われた。 台車関係は量産車においてはメンテナンス性向上のため、配管や排障器変更に伴う変更がなされている。
 量産車H300-1は2012(平成24)年3月17日のダイヤ改正で東京貨物ターミナル駅において試作車とともに2両体制での使用が開始された。以降も増備が続けられている。 

HD300-12

HD300-1~

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2013.10新製
2019年1月6日 郡山駅にて

HD300-8

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2013.8新製
2014年11月29日 八王子駅にて

HD300-30

2015(平成27)年製造のHD300-17以降は蓄電池搭載部分の点検蓋が増設されてHybridロゴが小型化された。また、JR貨物では、2017(平成29)年から機関車やコンテナの「JRFロゴ」を廃止しており、HD300形でも26号機から廃止されている。
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2018.11新製
2020年11月2日 八王子駅にて

500番代概説

 北海道用として2014(平成26)年11月に501~503の3両が製造された。 

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HD300-501~503

北海道用で、苗穂に所属し、札幌貨物ターミナル駅に常駐している。

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