ITRENINET 鉄道車両形式写真集

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DE11形ディーゼル機関車


概説

 1960年代、国鉄の大操車場における入換機関車は、重量貨物列車のハンプ押上げ作業や突放後の急停止などを行うことから、 牽引力と制動力が必要とされ、DD13形などのディーゼル機関車では性能不足であり、9600形やD51形などの蒸気機関車が使用されていた。 こうした背景から、無煙化のため、新たなディーゼル機関車の開発が必要とされ、1966(昭和41)年に支線区・入換用としてDE10形が登場、1967(昭和42)年には重入換専用機としてDE10 901が試作された。その使用実績を基に誕生したのが本形式である。
 DE10形の蒸気発生装置(SG)なしタイプであるDE10形500番代を基本として、引張力およびブレーキ力向上のため、死重を搭載して70t(軸重14t)とし、 重連総括制御機能を省略しており、外観上では重連総括制御用ジャンパ栓などがない点などがDE10形とは異なる。

0番代

 DE10形0・500番代と同様に出力1250PSのタイプで、機関形式はDML61ZA、台車はDT132A。1968〜70(昭和43〜45)年に65両が日本車輌製造、汽車製造、川崎重工業で製造され、新鶴見、吹田第一などに配置されて入換を中心に使用された。
 国鉄分割・民営化までにほとんどの車両が廃車となり、DE11 44・53・55の3両がJR東日本に承継されたが、1990(平成2)年までに廃車となって区分消滅した。

DE11 44

DE11 1〜65

写真の44は国鉄分割・民営化後にJR東日本に承継され、1990(平成2)年まで在籍した。
DE11 44(高運) 拡大画像を見る
1969.9新製→1990.5廃車
1987年4月2日 高崎運転所にて

1000番代

 DE10形1000・1500番代と同様に機関をDML61ZBとして出力を1350PSに向上させたグループで、1970〜75(昭和45〜50)年に46両が日車、川重で製造された。 0番代と同様に入換を中心として一部の貨物列車にも使用された。
 1027までの台車は0番代と同様のDT132Aであったが、1973(昭和48)年度に製造された1028以降は台車がDT141となり、扇風機付きとなった。 1030・1031・1035・1046は自動操縦装置付きとして武蔵野操車場で使用されたが、後に同装置は撤去された。
 0番代と同様に国鉄分割・民営化までに多くが車両が廃車となり、 10両がJR東日本に承継された。その後1029・1032・1034・1045はJR貨物へ譲渡された。

DE11 1041

DE11 1001〜1046

写真の1041は国鉄分割・民営化後にJR東日本に承継されたが、JR東日本で最後まで残ったDE11形であり、2023(令和5)年3月現在ぐんま車両センターに在籍している。
DE11 1041(宇)拡大画像を見る
1974.10新製
2012年7月3日 尾久駅にて

DE11 1029

2エンド側を示す。写真の1029は国鉄分割・民営化後にJR東日本に承継されたが、2012(平成24)年5月に廃車となり、JR貨物に譲渡された。
DE11 1029(田)拡大画像を見る
1973.6新製
1989年2月2日 板橋駅にて

1900番代

 防音装置を取付けた試作機で、1975(昭和50)年8月に1両が日車で製造された。1エンド側の機器室は密閉され、ルーバーを設けず、 換気は天井に設けられたダクトにより行う。運転席下には大型の消音器が設置され、1000番代までは1エンド側にあった排気用煙突は2エンド側に設けられている。また、運転室屋根には冷房装置が搭載されている。
 稲沢に配置され、ハンプ作業専用に使用されたが、後に品川に転じて茅ヶ崎に常駐して西湘貨物駅で使用された。JR東日本に承継されたが、2000(平成12)年11月に廃車となって区分消滅、廃車後は高崎運輸に譲渡されて2004(平成16)年まで使用された。

DE11 1901

DE11 1901 

簡易防音構造の試作機で、運転室屋根上に冷房装置が搭載されている。
DE11 1901(田)拡大画像を見る
1975.8新製→2000.11廃車
1989年5月13日 茅ヶ崎運転区にて

2000番代

 1979(昭和54)年10月に開業する横浜羽沢貨物駅での入換用に、DE11 1901よりも防音構造を強化したディーゼル機関車として、 1979(昭和54)年に4両が日車、川重で製造された。
 機関や台車など基本性能は1000番代に準ずるが、機関室を完全密閉構造として、新たに交流電源装置を設置、5台の交流電動機ファンにより強制換気を行う。足回りは防音スカートにより覆われている。冷却室は2エンド側に設置して 大型化、低騒音のシロッコ・ファンを採用、連結時の衝撃音低減のため、改良型の緩衝器を採用、以上により車長は2.5m長くなっている。
 全車JR貨物に承継され、2009(平成21)年からは全機更新工事が行われて、塗色は更新色となった。
 2023(令和5)年3月現在、定期運用は持たないが、新鶴見に全機所属している。

DE11 2003

DE11 2001〜2004

全長は16,650mmと、1000番代に比べて2,500mm長くなった。
DE11 2003(品)拡大画像を見る
1979.8新製→2009.10更新
1989年5月13日 茅ヶ崎運転区にて

DE11 2001

更新後の形態を示す。
DE11 2001(新)拡大画像を見る
1979.9新製→2009.11更新
2011年1月29日 八王子駅にて

DE11 2001

2001の更新後、2エンド側を示す。
DE11 2001(新)拡大画像を見る
2011年1月29日 八王子駅にて

DE11 2003

2003の更新後の2エンド側で、スカートを外した姿。2003の更新色は白帯が太くなっている。
DE11 2003(新)拡大画像を見る
1979.8新製→2009.10更新
2016年5月28日 大宮車両センターにて

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