JR北海道では、発足10年目を迎え、伸びゆく札幌都市圏の通勤や層に対応するため、通勤列車の速達化と遅延抑止、小樽以遠からの通勤客救済を担う車両が必要となっていた。 そこで、電車では711系の置換え用として731系通勤形交流電車が、気動車では小樽以遠の非電化区間からの札幌直通用としてキハ201系通勤形気動車が開発され、1996（平成8）年に3両編成4本（12両）が富士重工業で製造された。
　731系と共通コンセプトのもとに開発され、技術・部品の共通化とともに、今後小樽以遠からの札幌直通列車の設定に余裕がなくなることを考慮して、効率的な通勤輸送を可能とすべく、731系とキハ201系を併結して総括運転（協調運転）を行うシステムとすることとし、最高運転速度は130km/hで、電化区間においても電車並みの走行性能を有する。 編成は岩見沢方からキハ201形100番代＋キハ201形200番代＋キハ201形300番代で、中間車も先頭車と同じ「キハ201形」という形式が与えられている。車体は軽量ステンレス、片側3扉で、731系電車と先頭形状を含めて同一とし、屋根構体は721系電車の断面、側構体は283系気動車の断面に準ずる。先頭部は踏切事故から運転士を保護するため、高運転台、衝撃吸収構造としている。また、分割・併合運転の効率化のため、自動幌が採用されている。運転室の機器配置は、731系と併結運転を行う721系電車に準じている。冬期の前方視界確保のため、高深透度前灯、耐雪型ワイパーが採用されている。車体の飾り帯については、前面に青色帯、側面に萌黄色（ライトグリーン）とに青色帯を配し、731系の萌黄色と赤色の帯とは異なっている。
　731系と同様、客室内はすべてロングシートで、川引戸付近には混雑時に折り畳み可能な跳ね上げ式の腰掛が設けられている。出入台は廃止されており、側引戸の上と横には外気を遮断するエアカーテンを設置、側引戸もボタン開閉式の半自動対応とすることで、車内の保温対策に努めている。 731系と異なり、中間車のキハ201形200番代に和式便所が設置されている。冷房装置も731系とは異なり、N-AU201（30,000kcal/h）を屋根上に1基搭載する。ワンマン運転には対応していない。
　駆動機関は新潟鐵工所製の直噴水冷6気筒横型のN-DMF13HZE（450PS/2,100rpm）を各車2基搭載、液体変速機は変速1段＋直結4段のDW16である。ブレーキ方式は機関ブレーキ・排気ブレーキ併用の電気指令式空気ブレーキである。台車は731系電車のN-DT731形と基本構造を合わせたN-DT201で、731系にはないシステムとして、車体傾斜システムが採用され、空気ばねにより傾斜角度2度の強制傾斜を行い、曲線通過速度を90km/hから115km/hとすることで、通勤列車の速達化を図ることを目的としている。苗穂に配置され、1997（平成9）年3月22日のダイヤ改正から営業運転を開始した。
　2017（平成29）年3月現在の運用範囲は函館本線蘭越-江別間で、かつて見られた岩見沢や札沼線への運用はなくなっている。731系との協調運転は、現在の日本では唯一の電車と気動車の協調運転例である。
　なお、自動幌システムは、雪や凍結による動作不良があるため使用停止扱いとなっていたが、2017（平成29）年4月より731系通勤形交流電車と同様にMc1車の自動幌システム撤去工事が開始され、 Mc2車の幌構成も変更された。