元神戸市交通局500形。
もともと1926〜31(大正15〜昭和6)年に田中車輛で新製された車両で、J車、K車、L車と称していた。両端に折戸、中央に両開き扉を設けた半鋼製の大形3扉車で、側窓は一段下降式、中央扉の戸袋窓が楕円形であるのが特徴だった。計47両のうち、戦災を免れた22両が戦後500形(571〜592)となり、571〜580、583〜587、590〜592の18両は1959〜62(昭和34〜37)年に大阪車輛工業でニ段窓、側扉は片開きの前中2扉に改造された。この18両は1968(昭和43)年にワンマン化され、神戸市電廃止まで活躍したが、前述の大改造を受けなかった4両はツーマンのまま残り、廃止の日を待たずに廃車となった。
583は神戸で解体されたが、残る17両が広島電鉄に譲渡され、1971・73(昭和46・48)年に竣功し、590、591、592は改番されて583、581、582となって番号が揃った。なお、車籍上の製造所・製造年は更新時のものとなっている。台車はブリル77Eで、定員は88(座席42)名。
広電では方向幕の電動・大型化が行われたが、冷房改造は1987(昭和62)年に582・584・587の3両が改造されたのみである。一方廃車も進み、非冷房車は1984〜90(昭和59〜平成2)年に全車廃車となっている。なお、1985(昭和60)年に廃車となった578は、1986(昭和61)年にサンフランシスコ市に譲渡された。同市では世界各都市の路面電車の車両を動態保存しているが、578もトロリーポールを付けて、塗色と方向幕は広電時代のまま使用されるようになった。

570形(584)
冷房改造された3両のうちの1両。
神戸市電584 昭和35.9新製→広島電鉄584 昭和46.11竣功→昭和62.6冷房改造
2002年7月14日 舟入町にて

570形(578)
578は後にサンフランシスコ市に譲渡された。
神戸市電578 昭和35.1新製→広島電鉄578 昭和48.1竣功→昭和60.10廃車→サンフランシスコ市 578昭和61
1982年8月5日 広電本社前付近にて