2023（令和5）年8月26日の宇都宮ライトレール（宇都宮駅東口-芳賀・高根沢工業団地間）開業に伴い導入された車両。ＧＫインダストリアルがデザインを手がけ、新潟トランシスが製造した。

宇都宮芳賀ライトレール線は将来的に他線への乗入れを考慮して軌間は1,067mmとし、架線電圧は国内の軌道線では初となる750Vとなっている。

HU300形は通称「ブレーメン形」と呼ばれる超低床路面電車で、宇都宮駅東口方からHU300-A形-HU300-C形-HU300-B形の3車体3台車の連接構造である。愛称は「ライトライン」で、LRTの「ライト」と雷の都である宇都宮・芳賀をイメージした「雷都」から命名された。車体幅2,650mm、編成長は29,520mm。

車体は前頭部を流線形とし、車体塗色は「雷」の黄色をベースとしてダークグレーを組み合わせている。側扉は編成で片側4ヵ所でスライド式プラグドア、側窓は固定式である。行先表示器はLED式で、種別表示をしており、将来的な優等列車の運転に対応したものとなっている。

客室内は一般席をクロスシート、優先席をロングシートとし、座席幅は450mmと鉄道車両並みとしている。一般席は黒合皮を用いて背当ての黄色をアクセントとし、優先席は背当てと座面をオレンジ色合皮とし、それぞれバケット型としている。定員は編成で160名で、座席はA車16名、C車18名、B車16名の計50名である。床面は大谷石を、ロールカーテンは「宮染め」をイメージしたものとして宇都宮らしさを出している。車内中央部には29インチの大型LCD表示器を設置し、各種情報を提供している。先頭車に車椅子スペース、中間車にフリースペースを設けてベビーカーや自転車持ち込み需要を考慮している。ワンマン運転およびＩＣカードによる料金収受に対応するため、すべての出入口にＩＣカードリーダーを設け、乗車時は下部、下車時は上部のリーダーにタッチするようにしている。運賃箱は運転台後部に設けている。運転台は右手ワンハンドルマスコン方式で、各部に設置したカメラによる映像を確認できるようにしている。

制御方式はVVVFインバータ（1C1M×3群）で、補助電源装置は静止型インバータ（SIV）を搭載する。主電動機は100kW×3、約60‰の勾配区間があるため台車は電磁吸着ブレーキを装備して67‰の勾配区間に対応している。最高運転速度は70km/hであるが、当面は法規に基づき40km/h運転となっている。パンタグラフはHU300-A形に搭載し、折りたたみ高さは3,625mmとして将来宇都宮駅の西側に延伸する際にＪＲ在来線と新幹線の間を通過できるようにしている。

2021・22（令和3・4）年に17編成が製造された。

HU306編成は2023（令和5）年11月にプロバスケットボールチーム「宇都宮ブレックス」のラッピングがなされ、2024（令和6）年6月まで運転予定。