東京地下鉄日比谷線は、従来18m車8両編成3扉車と5扉車で運転されており、ホームドア設置のネックとなっていた。そこで、20m車7両編成での運転とすることになり、13000系車両が投入されることになったが、相互直通運転を行っている東武鉄道でも仕様共通化を図った車両が製造されることになり、本系列が登場した。

編成は、中目黒方からモハ71700形（Mc1）-モハ72700形（M1）-モハ73700形（M2）-モハ74700形（M3）-モハ75700形（M2'）-モハ76700形（M1'）-モハ77700形（Mc2）の全電動車7両編成である。

車体は、アルミダブルスキン構造を採用、飾り帯は「イノベーションレッド」と「ピュアブラック」を採用し、在来車からのイメージを一新している。車体両端部には沿線の活力を表現して「エナジードット」を配してアクセントとし、車椅子とベビーカーのスペースには標記類を帯に組み込んで視認性とデザイン性を図っている。

客室内はLED式の直接照明を採用して環境負荷の低減と快適性を図り、車両間の妻引戸には大型のガラス窓を採用して、開放感を出している。ガラス部のグラフィックには、沿線の代表的な風景をイラスト化している。各出入口の上部には、開閉予告灯と17インチワイドLCD車内情報案内表示器を3画面設置している。

主回路システムは主電動機に永久磁石同期電動機（PMSM）を採用、PMSMに対応した主電動機個別制御のVVVFインバータ装置(三菱電機製)を搭載しており、これらは東京地下鉄13000系と共通仕様である。

台車は曲線の多い東京地下鉄日比谷線に対応するため、片軸操舵台車を採用、形式はSC-107（東武形式TRS-17M）である。

ブレーキシステムは回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ装置である。電動空気圧縮機（CP）はオイルレススクロール式でMc１およびMc２車に各１台搭載し、2ユニット構成で片方が故障した際にも運転可能な冗長性の高いものとなっている。静止型インバータ（SIV）はM２およびM２′車に各１台で搭載している。車両情報制御装置はT-TIS（Tobu-Train Information System）と称し、運転指令制御、車両制御をはじめ、サービス機器のモニタリング・故障記録などの機能を有している。

2017（平成29）年5月から2020（令和2）年2月までに18編成126両が近畿車輛で製造され、南栗橋車両管区春日部支所に配置された。営業運転開始は2017（平成29）年7月7日である。 2020（令和2）年には、本系列をベースとして座席定員制の列車に対応した 70090系が登場した。

※　東武鉄道社内では「70000型」、「70090型」と称されていますが、当ページでは、「70000系」、「70090系」と表記しております。