E231系一般形直流電車｜900番代

概説

　JR東日本において209系、E217系に続く次世代の通勤・一般形車両の量産先行車209系950番代として1998（平成10）年に東急車輛製造、新津車両製作所で製造されたものである。
　車体は近郊タイプとの仕様共通化を考慮して2,950mm幅の拡幅車体となり、従来は先頭車と中間車で車体長が異なっていたが、19,500mmに統一された。（全長20,000mm）
　新技術としてTIMS（Train Information Management System=車両情報管理装置）が採用され、力行やブレーキ、空調や車内案内表示装置などが編成単位で一括管理される。量産化までに一定の期間を必要とすることから、103系の置換用として209系950番代と同じ車体を持つ209系500番代が同時期に製造された。209系500番代と950番代はともに中央・総武緩行線で運用されるたが、209系500番代が全車4扉車であるのに対し、950番代は5号車には6扉車を組み込んでいる。　
　制御装置はIGBT素子によるVVVFインバータで、モハE231-901（旧モハ209-951）は日立製SC59、モハE231-902（旧モハ209-952）は三菱製SC60を搭載している。パンタグラフは209系500番代（初期車）と異なり、シングルアーム式のPS33となっている。
　前述のとおり車体は209系500番代と同様であるが、区別のため前面のFRP部分が銀色となっている。側窓についても209系500番代と同様で、4扉中間車の片側2ヵ所、先頭車の片側1ヵ所が開閉可能である。（先頭車については、2007年に中間窓についても開閉化改造された）帯色は中央・総武緩行線で使用されるため黄色1号である。
　座席はクッション材がリサイクル性を考慮したポリエステル樹脂綿成形品に変更された。
　戸閉装置については、4扉車がリニアモーター式となったが、6扉車は従来の電気式となっている。
　1999（平成11）年3月から中央・総武緩行線で営業運転が開始され、量産車の登場後、2000（平成12）年6月にE231系900番代に改番された。
　2007（平成19）年には先頭車の補助排障器（スカート）が改良型に取替えが行われ、2010（平成22）年にはホーム検知装置が取付けられた。
　2020（令和2）年2月に総武・中央緩行線での運用を終了、サハE231-902と6扉車のサハE230-901の2両を除く8両は、機器更新・武蔵野線への転用改造が行われ、2020（令和2）年7月に大宮を出場、京葉に転属してMU1編成となった。

モハE231-901

日立製のVVVFインバータ制御装置SC59を装備する中間電動車で、モハ209-951を改番した。3号車に連結される。パンタグラフ（PS33）を後位側に搭載。台車はDT61E、冷房装置はAU725。定員162（座席54）名。
モハE231-901（八ミツ）
モハ209-951　1998.10新製→モハE231-901　2000.6改番
2016年5月3日　市川駅にて

武蔵野線転用後のものを示す。モハE231-902とともにVVVFインバータ制御装置はSC113に更新され、902との相違点として目立つものは避雷器のみとなった。
モハE231-901（千ケヨ）
モハ209-951　1998.10新製→モハE231-901　2000.6改番→2020.7　機器更新・転用改造
2021年9月11日　西国分寺駅にて

モハE231-902

三菱製のVVVFインバータ制御装置SC60を装備する中間電動車で、モハ209-952を改番した。8号車に連結される。モハE231-901とは避雷器も異なっている。
モハE231-902（八ミツ）
モハ209-952　1998.10新製→モハE231-902　2000.6改番
2015年6月21日　市川駅にて

武蔵野線転用後のものを示す。モハE231-901と避雷器が異なる。
モハE231-902（千ケヨ）
モハ209-952　1998.10新製→モハE231-902　2000.6改番→2020.7　機器更新・転用改造
2020年9月27日　府中本町駅にて

モハE230-901

モハE231-901とペアを組む中間電動車で、4号車に連結される。モハ208-951から改番された。SIV（SC62）とCPを搭載する。
モハE230-901（八ミツ）
モハ208-951　1998.10新製→モハE230-901　2000.6改番
2014年10月13日　市川駅にて

モハE230-902

モハE231-902とペアを組む中間電動車で、9号車に連結される。モハ208-952から改番された。SIV（SC61）とCPを搭載する。
モハE230-902（八ミツ）
モハ208-952　1998.10新製→モハE230-902　2000.6改番
2018年10月27日　市川駅にて

武蔵野線転用後のものを示す。モハE230-901とともにSIVはSC114Aに更新された。
モハE230-902（千ケヨ）
モハ208-952　1998.10新製→モハE230-902　2000.6改番→2020.7　機器更新・転用改造
2020年9月27日　府中本町駅にて

クハE231-901

奇数向き（千葉方）1号車の制御車。クハ209-951から改番された。台車はTR246I（前位）、TR246J（後位）。定員147（座席43）名。
6扉車を連結していることを示す「6DOORS」のステッカーを前面帯助士席側に取付けている。また、側面のJRマークの取付位置は209系500番代と同様である。（E231系0番代は3・4番目の扉間の窓下帯内）
2007（平成19）年に改良型補助排障器（スカート）への取替が行われた。写真はホーム検知装置取付前のもの。
クハE231-901（八ミツ）
クハ209-951　1998.10新製→クハE231-901　2000.6改番
2018年6月16日　市川駅にて

クハE230-901

偶数向き（三鷹方）10号車の制御車。クハ208-951から改番された。台車はTR246I（前位）、TR246J（後位）。冷房装置はAU725。定員147（座席43）名。2010（平成22）年にホーム検知装置が取付けられた。
クハE230-901（八ミツ）
クハ208-951　1998.10新製→クハE230-901　2000.6改番
2015年6月21日　市川駅にて

サハE231-901～903

4扉の付随車で2・6・7号車に連結される。サハ209-951～953から改番された。台車はTR246J。冷房装置はAU725。定員162（座席54）名。
サハE231-901（八ミツ）
サハ209-951　1998.10新製→サハE231-901　2000.6改番
2016年5月3日　市川駅にて

武蔵野線へはサハE231-901・903の2両が転用された。写真は4・2位側を示す。
サハE231-903（千ケヨ）
サハ209-951　1998.10新製→サハE231-901　2000.6改番→2020.7　機器更新・転用改造
2020年9月27日　府中本町駅にて

サハE230-901

6扉の付随車で5号車に連結される。サハ208-951から改番された。連結位置は2号車にも振り替えられるように考慮されていた。写真ではわからないが、209系0番代で各車に設けられていた妻面上部の非常換気口は、209系500・950番代、E231系では原則的に廃止され、6扉車のみが装備している。台車はTR246K。冷房装置はAU726。定員162（座席30）名。
2020（令和2）年2月に定期運用を終了、同年12月に廃車となって区分消滅した。
サハE230-901（八ミツ）
サハ208-951　1998.10新製→サハE230-901　2000.6改番→2020.12廃車
2015年7月8日　市川駅にて