717系近郊形交流電車|0・100番代
仙台地区向けに451・453系急行形交直流電車の台車、主要機器等を再利用し、車体を新製したもので、国鉄末期の1986(昭和61)年からJR発足後の1988(昭和63)年にかけて30両が改造された。
0番代は451系、100番代は453系を種車としているが、制御車については種車が451・453系共通のクハ451形であることから0番代のみとなっている。McM'T'cの3両編成で、従来の交直流急行形電車と併結も可能である。
車体は
417系に準じた片側両開き2扉ステップ付きで、客室内はセミクロスシート。寒冷地対策として扉の半自動扱いを可能とし、ロングシート部分のソデ仕切りにアクリル板を取り付けている。また、電動車の1・4位側には雪切り室が設置された。冷房装置は種車のものを流用し、制御車がAU13Eで1基増設して6基搭載、中間電動車が集中式のAU72であるが室内を平天井化している。便所は種車の汚物処理装置を再利用してT'c車の4位側に設置されている。塗装は、"グリーンライナー色"と呼ばれるもので、クリーム色10号に緑14号の帯となっている。
台車は種車のDT32、TR69系列を再利用、電気機器については451系の主電動機をMT54系列に交換して性能の共通化を図り、不要となる直流機器・交直切替機器を撤去している。ブレーキ装置は種車のものを踏襲したSED発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキで、抑速ブレーキは装備していない。
仙台地区の常磐線および東北本線の一部区間で活躍してきたが、2007(平成19)年11に運用を離脱、2008(平成20)年までに全車廃車となった。
クモハ717-1~5
クモハ451形(12・4・3・11・1)の車体更新車で、奇数向制御電動車。改造は国鉄時代の1986・87(昭和61・62)年に行われた。車体は417系を基本とし、同時期に改造されたクモハ413形とほぼ同様。主制御器、主抵抗器、CPを搭載している。主電動機はMT54BまたはMT54Dに変更された。台車はDT32系。冷房装置は種車のAU13Eを再利用しているが、1基増設して6基となっている。定員118(座席65)名。
クモハ717-4(仙セン)
クモハ451-11 1963.7新製→クモハ717-4 1987.3改造→2008.1廃車
2007年3月17日 原ノ町駅にて
クモハ717-101~105
クモハ453形(14・17・3・10・7)の車体更新車で、外観上は0番代と差はない。1986(昭和61)年からJR化後の1988(昭和63)年にかけて改造された。
クモハ717-102(仙セン)
クモハ453-17 1964.1新製→クモハ717-102 1987.1改造→2008.2廃車
2007年3月17日 原ノ町駅にて
モハ716-1~5
モハ450形(12・4・3・11・1)の車体更新車で、クモハ717形0番代とユニットを組む中間電動車。改造は国鉄時代の1986・87(昭和61・62)年に行われた。車体は417系を基本とし、同時期に改造されたモハ412形とほぼ同様。主変圧器、主整流器などをのほか、屋根上にパンタグラフ(PS16H)を1基搭載している。主電動機はMT54BまたはMT54Dに変更された。台車はDT32系。冷房装置は種車のAU72を再利用しているが、平天井化されている。定員132(座席72)名。
モハ716-1(仙セン)
モハ450-12 1963.7新製→モハ716-1 1986.3改造→2008.2廃車
2007年3月17日 原ノ町駅にて
モハ716-101~105
モハ452形(14・17・3・10・7)の車体更新車で、クモハ717形100番代とユニットを組む。外観上は0番代と差はない。1986(昭和61)年からJR後の1988(昭和63)年にかけて改造された。
モハ716-102(仙セン)
モハ452-17 1964.1新製→モハ716-102 1987.1改造→2008.2廃車
2007年3月17日 原ノ町駅にて
クハ716-1~10
クハ451形(8・4・23・3・5・11・1・15・6・19)の車体更新車で、717系0・100番代共通の偶数向制御車。4位側に便所を設置している。定員116(座席65)名。床下にMGを搭載する。
クハ716-1(仙セン)
クハ451-8 1963.7新製→クハ716-1 1986.3改造→2008.2廃車
2007年3月17日 原ノ町駅にて
クハ716形0番代の2・4位側を示す。
クハ716-5(仙セン)
クハ451-5 1963.8新製→クハ716-5 1987.1改造→2008.2廃車
2007年3月17日 原ノ町駅にて