381系特急形直流電車|先頭車化改造車
クモハ381形
1986(昭和61)年11月ダイヤ改正において、特急「やくも」を9両編成から6両編成に短縮することになり、それに伴って、モハ381-78・81・76・90・88・75・66・84・72を種車として1986(昭和61)年に後藤車両所・吹田工場で先頭車化改造したものである。種車の前位側を切断し、新製した運転台ユニットを接合しているが、多客期には3両増結して9両編成とするため、クハ480形などと同様の開き戸方式の貫通形とされた。定員64名。
後年、「スーパーやくも」化、グレードアップ化などにより、塗装変更が行われ、国鉄色は消滅した。
クモハ381-1~9
クモハ381-9(米イモ)
モハ381-72 1982.1新製→クモハ381-9 1986.10改造
1988年3月19日 米子駅にて
クモハ381-4(米イモ)
モハ381-90 1982.6新製→クモハ381-4 1986.10改造
2002年7月17日 岡山駅にて
しなの用グリーン車
1988(昭和63)年3月ダイヤ改正において、特急「しなの」の短編成化・増発が行われることになり、6両編成として多客期には3両増結して9両編成とすることとなった。不足する先頭車については、「やくも」の場合と異なり、サロ381形を先頭車化対応することになり、まず国鉄分割・民営化を控えた1987(昭和62)年3月にサロ381-8・9からクロ381-1・2が改造され、民営化後も改造が続けられサロ381-5・3・1・2・4→クロ381-3~7となった。
さらに不足するTsc車を補うため、1987(昭和62)年にクハ381形(7・13・11・17・5)を格上げ改造したクロ381-51~55が登場。1988(昭和63)年にはサロ381-6・7・20をパノラマグリーン車化したクロ381-11~13が登場した。
クロ381-1~7
サロ381-8・9・5・3・1・2・4を先頭車化したもので、種車の前位寄りにクモハ381形に準じた運転台構体が取り付けられたが、主電動機風道が設けられていない点が異なる。定員44名。2002(平成13)年までに全車廃車となり、区分消滅した。
クロ381-4(海シン)
サロ381-3 1973.6新製→クロ381-4 1987.12改造→1998.12廃車
1988年7月30日 名古屋駅にて
クロ381-11~13
クロ381形0・50番代に続いて登場した「しなの」用Tsc車で、サロ381-6・7・20を先頭車化(パノラマグリーン車化)したもの。接合された先頭部は鋼製である。展望席はハイデッカー構造で、中央部に車掌室と出入台を設け、後位寄りは通常のグリーン客室となっている。2008(平成20)年までに全車廃車となり、区分消滅した。
クロ381-11(海シン)
サロ381-6 1974.12新製→クロ381-11 1988.1改造→1999.12廃車
1990年5月2日 名古屋駅にて
クロ381-51~55
クハ381-7・13・11・17・5を1987(昭和62)年に格上げ改造したもので、座席や内装が交換されたが、外観上はグリーン車マークが取り付けられたほかは種車とほとんど変化はない。定員は0番代と同様に44名となっている。1997(平成9)年までに全車廃車となって区分消滅した。
クロ381-51(海シン)
クハ381-7 1973.6新製→クロ381-51 1987.10改造→1997.1廃車
1990年5月2日 名古屋駅にて
くろしお・やくも用
JR西日本のパノラマグリーン車で、まず「スーパーくろしお」用として1989・90(平成元・2)年にサロ381-10・14・18・21・15を種車として改造された。種車の後位側を切断して大型前面窓を採用した先頭部構体を接合しており、愛称名表示器はLEDとなった。運転室背面仕切りは上部がガラス張りとなり前方の眺望が楽しめるようになっている。種車の3・4位側にあった便・洗面所は1・2位側(改造後の3・4位側)に移設され、車販準備室は車掌室部分に移設された。110kVA
MGを搭載する。定員44名。外部塗色は白を基調にクリームイエローとトリコロールレッドを組み合わせた帯が配された。(その後白地にオーシャングリーン帯に変更)
さらに1994(平成6)年に「スーパーやくも」用としてサロ381-26・27を種車としてクロ380-6・7が改造された。基本的仕様は「スーパーくろしお」用と同様で、外部塗色はラベンダー(薄紫)をベースに、棟(おうち)、アイボリーホワイト、杜色(かきつばた)の帯となった。(後にゆったりやくも色に変更)
クロ380-1~7
クロ380-6(米イモ)
サロ381-26 1982.2新製→クロ380-6 1994.11改造
2002年7月17日 岡山駅にて