JR東日本の地方非電化路線では、国鉄から承継された一般形および急行形気動車などが引き続き使用されていたが、 これらの老朽化した気動車を置き換えてサービス改善を図るため開発された。
　キハ100形0番代は、ワンマン運転対応可能な車体長16m、両運転台車で、まず、1990（平成2）年にキハ100-1～4の4両が 量産先行車として新潟鐵工所と富士重工業で製造され、同年3月改正に合わせて一ノ関に配置されて北上線で運用を開始した。
　開発にあたっては、車体と機器の軽量化と電車並みの加速性能を有することで非電化路線のスピードアップを図り、 全車冷房装置を搭載して旅客サービス向上を推進することが主眼とされた。
　車体は鋼製で、車体幅は2,800mm、車体長は前述のとおりであり、床面高さはレール面上1,175mmで、在来車よりも100mm程度低くなり、 ステップ高さが抑えられた。側出入口は片側2ヶ所で、スライド式のプラグドアが採用されて軽量化が図られた。戸閉装置は 自動・半自動に対応し、半自動時は押ボタンにより開閉する。側窓は複層ガラスによる固定窓で、吹き寄せと便所部分にも ガラスを配して連窓のようになっている。座席は固定式セミクロスシートとして中央部に片側3ボックスずつのクロスシートを 配して、車端寄りはロングシートとし、扉寄りの2人掛け部分は補助席として混雑時には折りたたむことが可能である。 定員104（座席41）名で、補助席使用時は103（座席47）名。 便所は和式のFRPユニット製となっている。冷房装置は機関直結型のAU26J-Bを1基搭載している。車体塗色はベリーペールグリーンを 基調として、ダークライムグリーンを配している。量産先行車については登場時、先頭車の正面の左右が黒色に塗装されていたが、 後に量産車に合わせてベリーペールグリーンに変更された。
　機関はDMF11HZ（コマツ製）またはDMF13HZ（新潟鐵工所製）で、ともに330PS/2,000rpm、液体変速機は湿式多板クラッチ式の 変速1段・直結2段方式のDW14Bが採用された。制御はプログラマブルコントローラ（PC）が採用され、信頼性の向上と保守の省力化が 図られている。最高運転速度は100km/h。台車は軸距2,000mmのDT59、TR243となっている。ブレーキシステムは電気指令式で、 保安ブレーキとして直通ブレーキを、降雪時対応として耐雪ブレーキを装備している。
　1990（平成2）年度末に量産車として、キハ100-5～8が富士重工で製造されてそれぞれ一ノ関に配置、本グループから便所部分の 連窓風のダミー窓が廃止されたほか、側面運転席部分の小窓が押さえ金支持から、Hゴム支持となり、寸法も変更された。また、 ロングシート部分に一部設置されていた補助席が固定化され、定員103（座席47）名に変更された。
　1991（平成3）年6～10月に富士重工業および新潟鐵工所で製造された3次車（キハ100-9～46）は、パイプ式のスカートが廃止された。
　9・12・30・38の4両は2011（平成23）年3月11日の東日本大震災で津波により被災し、同年6月に廃車となった。 1・3の2両は2012（平成24）年12月に「POKÉMON with YOU トレイン」に改造された。また、29は2017（平成29）年に小海線の 観光列車「HIGH RAIL 1375」のキハ103-711に改造された。